小論文の要約とは?書き方やポイントを紹介
小論文の要約をマスターするにはどうしたらよいのでしょうか。学校の授業だけでは本格的な要約対策はなかなかできず、苦手意識がある人は途方に暮れてしまっているかもしれません。
しかし、小論文の要約にはいくつかのポイントがあります。ポイントをしっかりと押さえたうえで練習をこなせば、要約は決して難しくはありません。要約の書き方やポイントを学んで、苦手意識をなくしていきましょう。
小論文の要約とは
小論文の要約が苦手な人は、そもそも要約がどういったものかを理解できていないのかもしれません。小論文の要約とは「課題文を読んでいない人でも、その文章で何を述べられているかわかるように短くまとめること」です。
そのため、要約を作るときは次の3つの作業を行なう必要があります。
1.課題文のテーマや内容を読み取る(読解)
2.読み取った要素から重要な部分をまとめる(思考)
3.自分の言葉で簡潔に説明する(表現)
決して、単純に本文を切り貼りすれば良いわけではありません。読解・思考・表現という国語力のすべてを試されるのが小論文の要約です。
<小論文>要約の書き方
それでは、要約の書き方について具体的に説明していきます。
◇線を引きながら軽く読む
要約を書くには、まず課題文を読まなければいけません。課題文を一度パッと見ただけで、まとめようとすると失敗してしまいがちです。
このとき、ただ読むのではなく「何について書かれているか(論点)」「筆者の言いたいことは何か(意見)」「筆者はなぜそう考えたのか(理由)」を意識して読むのがポイントです。該当する部分に線を引きながら軽く読んでいくと、あとでまとめやすくなります。
また、論点・意見・理由は、次の部分に着目しながら読むと見つけやすいでしょう。
●論点:課題文の冒頭、小見出し
●意見:論点が述べられた直後の「むしろ」「しかし」「したがって」に続く部分、「だ」「である」で断定している部分、課題文の最後
●理由:「なぜなら」に続く部分、「~だから」で終わる部分
ただし、これらに当てはまらないこともあるので、注意してください。
なお、最初に読むときは、具体例も飛ばさずに読みましょう。要約のやり方として「具体例を切り捨てる」方法を耳にしたことがあるかもしれませんが、それは要約を書くときの話です。
最初に読むときは、むしろ具体例をよく読んでください。なぜなら、具体例は一般論をわかりやすくするために書いてあるからです。具体例をきちんと読めば、課題文で何が述べられているのかを理解しやすくなるでしょう。
◇重要な部分をピックアップする
課題文をひととおり読んで線を引いたら、線を引いた部分を中心に見直して、重要な部分をピックアップします。
重要な部分を見極めるには、次の4つを意識するとよいでしょう。
●繰り返し出てくる言葉
●カギカッコに入った言葉
●一般論を否定して意見を述べている部分
●課題文の最後
もちろん、上記以外にも重要な部分が隠されていることがあるので、気を付けてください。
また、このときには具体例をピックアップしないようにしましょう。ピックアップした部分には丸をつけるなどして、課題文に印をつけるのがおすすめです。
◇ピックアップしたものを並べて整える
重要な部分をピックアップしたら、それらの要素を並べて整えます。問題用紙の余白に箇条書きでメモをするとわかりやすいでしょう。
並べた要素と要素との間が、論理的につながっているかを確認します。この時点で要素間の意味が通じないようなら、ピックアップする要素が足りないか、並べ方に問題があります。要素に漏れがないかを確かめましょう。筆者の意見や理由に気を取られ、反対意見を入れ忘れてしまうことが多いので、注意してください。
なお、ピックアップした要素を単純に並べただけでは、ギクシャクしてうまくつながらない場合が少なくありません。つながりが自然になるように適切な接続詞を使ったり、自分の言葉で上手に書き換えたりすることが大切です。
<小論文>要約のポイント
最後に、要約を書くうえでのポイントを説明します。実際に要約を書くときは次の2点に注意しましょう。
◇一文が長くなりすぎないようにまとめる
要約を書くときに、1つの文に複数の要素を詰め込みすぎて、だらだらと長い文章になってしまう人もいるでしょう。文というものは、意識していないと長くなってしまいがちです。一文が長くなると意味がわかりにくくなってしまったり、日本語として成立しなくなったりすることもあります。一文一文はできるだけ短く、簡潔にするのがポイントです。
◇元の文章とのズレが起きないようにする
要約を書くときは、課題文で述べられていることを自分の言葉でうまく言い換えることもポイントの一つです。このときに注意したいのが、言い換え方やまとめ方を誤って、元の文章と主旨がずれてしまうことです。
もし、上手な言い換え方が見つからないなら、下手に言い換えないほうが無難でしょう。
また、ついつい自分が思っていることまで要約に入れたくなる人がいるかもしれません。しかし、要約では自分の意見を勝手に入れてはいけないので、注意してください。
小論文の要約に慣れるためにポイントを押さえた練習を
難しいと思ってしまいがちな小論文の要約ですが、ポイントをしっかりと押さえておけば決して難しくはないことがわかったのではないでしょうか。
とはいえ、ぶっつけ本番でできるものではありません。練習して、先生からの添削を受けなければ上達は難しいでしょう。
小論文の要約は、きちんと対策をしていれば点数を取れるものです。ポイントを押さえつつ、しっかりと練習を重ねていってください。
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