大学と専門学校の違いは何？進路選択に役立つポイントを詳しく解説

高校卒業後にどの進路を選ぶべきか、悩んでしまう高校生は多いでしょう。進学する場合、大学や専門学校などの選択肢のなかからどこに進学するかを決めなくてはなりません。なかには大学と専門学校の2つの違いについて、よく知らない方もいるでしょう。

そこで今回は、大学と専門学校のおもな違い、どちらがおすすめなのかを詳しく解説します。

大学と専門学校のおもな違い

大学と専門学校には、入試の方法や学費など、さまざまな点で違いがあります。進路選択をする際には、この2つの違いをよく把握したうえで、自分により合いそうなほうを選びましょう。

◇大学と専門学校の違い（1）入試

大学入試の場合、大学入学共通テストと学校別の学力試験を組み合わせた選抜方法が一般的です。

国公立大学では、一次試験が大学入学共通テスト、二次試験が大学別の学力試験となります。私立大学の場合、各大学によって選抜方法に大きな違いがあるため注意が必要です。個別の学力試験を実施するケースが多いですが、国公立大学と同様に、大学入学共通テストの結果を用いる場合もあります。

専門学校の場合は、学力試験、書類審査、面接の3つで構成されているケースが多いでしょう。学力試験については、専門的な知識を問われるもの、一般常識の範囲で答えられるものなど、学校によって内容はさまざまです。専門学校の場合、一般入試の場合であっても、書類や面接の内容が重視される傾向にあります。

◇大学と専門学校の違い（2）学費

大学（国立・私立）と専門学校の学費の違いは、以下のとおりです。（※2025年4月21日時点）

・国立大学の学費（標準額）：
国立大学の場合、学費の標準額が国によって決められています。入学金は282,000円、授業料の年額は53万5,800円です。

参照：国立大学等の授業料その他の費用に関する省令│e-Gov法令検索

・私立大学の学費
私立大学の場合は、初年度納付金の平均は147万7,339円（令和5年度）です。

参照：私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について│文部科学省

・専門学校の学費
専門学校の場合、学費の目安は約130万円です。
（※入学金や授業料のほか、実習などにかかる各種費用込み）

◇大学と専門学校の違い（3）修業年数

大学の場合、修業年数は4年間です。医学・歯学・獣医学・薬学は原則として6年間となります。

専門学校の修業年数は学校により、1年間～4年間などさまざまですが、2年間の学校が多い傾向があります。

◇大学と専門学校の違い（4）教育内容

大学では、一般教養科目を履修できます。一般教養科目が卒業単位に多く含まれるため、専門分野に限らず幅広い知識を得ることが可能です。

専門学校の場合は、より実務的な教育が行なわれます。一般教養について学ぶ機会は少なめで、職業関連の知識・技術を学ぶのがメインです。

◇大学と専門学校の違い（5）卒業の条件

大学では、124単位以上の単位取得が卒業の条件です。専門学校の場合、2年制で1700時間以上の授業を受けるのが条件となります。なお、専門学校の場合は、大学のような単位制でないケースが多い傾向があります。

◇大学と専門学校の違い（6）学位・称号

大学、専門学校を卒業した際に得られる学位・称号は以下のとおりです。

・大学卒業：「学士」の学位
・専門学校：専門士（2年制・3年制）高度専門士（4年制）

◇大学と専門学校の違い（7）卒業後の進路

卒業後の進路については、以下のような傾向があります。

・大学：就職、大学院への進学
・専門学校：就職、大学への編入学、大学院への進学

一般的には専門学校のほうが、卒業後は、職業に就くことが多いでしょう。

大学と専門学校、どちらがおすすめ？

大学と専門学校のどちらが向いているかは、学校に通う目的、学びたい内容、希望の進路などによって変わります。ここでは、大学がおすすめな方、専門学校がおすすめな方の特徴について、それぞれ説明していますのでぜひ参考にしてください。

【大学がおすすめな方の特徴】
・一般教養科目も含め、将来に向けて幅広く学びたい方
・自分の学びたい専門領域が決まっていない方
・将来について、4年間じっくりと考えたい方
・サークル活動・アルバイトに時間を使いたい方
・「学士」を得たうえで就職したい方

【専門学校がおすすめな方の特徴】
・就きたい仕事が決まっていて、専門的な教育を受けたい方
・1～3年など、修業年数の短い学校に通いたい方
・同じ目標を持つ仲間と一緒に、集中して学びたい方

大学と専門学校は、学べる内容に違いがある

大学と専門学校を選ぶ際は、「何を学びたいのか」「自分はどういった目的で学校に通うのか」といった点を意識しましょう。

専門学校に通う場合は、職業に関連した専門的な内容を学ぶことができます。医療系、工業系、商業系など、就職したい業界・職種が決まっている方は、専門学校を選択肢に入れるとよいでしょう。

これから将来についてじっくり考えたい場合や就職のために「学士」を得たい場合は、大学への進学を検討してみてください。大学と専門学校の違いを理解したうえで、将来の進学先を慎重に選びましょう。