一日10時間勉強の神話……”本当に集中してたら”長時間勉強なんてできない!
勉強ブログや、東大生のインタビューなどで「一日10時間勉強した!」というのはよく聞く話ではあります。
しかし実際に一日10時間勉強することは可能なのでしょうか?
結論からいうと、可能です。しかし一日10時間勉強はデメリットも多いです。
「一気に取り戻そう」としたり、「直前に10時間やればいいや」とならないようにしましょうね。
「一日10時間勉強」を真に受ける必要はない
「一日10時間勉強」は、夢のような響きですが、真に受ける必要はありません。
「一日15時間」はなおさらです。
確かに不可能ではないのですが、勉強を時間だけで語ると曖昧な部分も多いのです。
①短期記憶になってしまう
一気に詰め込んだ知識は、長期間残りません。
②長時間やったという自己満足で終わってしまう
机の前に座っている時間である「拘束時間」を「勉強時間」としてカウントしていませんか?
③毎日とは限らない
毎日10時間勉強していたのではなく、調子のよかった日の「最高記録」ではありませんか?
④よほど勉強が好きであったり、休憩がうまいなど高スキルを持った人にかぎる
確かに10時間勉強は不可能ではありませんが、勉強が好きであったり効率よく休憩がとれたり、「普段からの頑張りや工夫」があってこそできるものです。
本当に集中できる時間の長さは?
ヒトの集中できる時間は90分前後といわれていますが、学者によっても諸説あります。
私が聞いたものでは「(自分の年齢)分」が本当に集中できる時間というものもありました。
大学の授業も90分ですし、高校なども60分ですね。
これもまた経験的に生徒が集中できる時間から組み立てられているのでしょう。
しかし、90分集中できるとしても、授業は先生の話を聞くという「受け身」の一面もありますし、苦手な教科などの集中できる長さはさらに短くなります。
私の体感では50~60分くらいかと思いますが、それでも一気に集中するために、(20分区切り+5分休憩)×3というように時間を区切って勉強していました。
10時間勉強のデメリット
10時間勉強は不可能ではありませんが、よっぽど慣れていない人にはデメリットの方が大きいのです。
①ものすごく大変で体調を崩しかねない
長時間の勉強は、身体や脳に負担が大きなかかります。
10時間勉強するのなら、それ相応の食事・休憩・睡眠時間が必要不可欠となるのです。
②8時間でも難しいことがわかっている
日本の労働時間である8時間ですら、長すぎて効率が悪いといわれています。
③毎日は続けられない
一度の長時間勉強は、身体のコンディション管理が欠かせません。毎日続けるのは至難の業です。
④すぐに実行できるわけではない
10時間勉強するためには、勉強が苦でなく、集中力を保つコツや、腰痛などの身体に疲れを工夫のすべてをこなす必要があります。
⑤同じ10時間でも2、3日に分けた方がよほど成果がでる
一度に詰め込むよりも、数日に分けて復習を織り込んだ方が記憶は長い期間で定着します。
⑥勉強以外のことがなにもできない
一日10時間勉強すると、3時間は休憩時間にかかります。
さらに食事、入浴、支度などの時間で5時間ほどさくとするとすでに18時間です。
一日の残りは6時間。
ぎりぎり健康が維持できる睡眠時間です。
つまり、一日10時間勉強を繰り返すと、勉強以外の時間がまともにとれず、精神的に滅入ってしまいます。
⑦実行できない自分が嫌になる
いきなり10時間勉強しよう!としても失敗する確率が高いです。
とはいえ、決めたことを実行できないのは精神的にはよくありません。
時間が短くても密度の濃い勉強をするコツ
短い時間でも密度の濃い勉強をこなしましょう!
①時間を短く区切る
キッチンタイマーなどを使って15分で問題を解きましょう。
基礎問題は反射的に解けないと意味がありません。
私は「微積分くらい1秒で解け」と受験生の頃言われていました。そのころは「無理だよ~」と思っていましたが、大学にはいるとそれくらいの実力が必要だったと痛感したものです。
②休憩を活用する
勉強時間と同じくらい大切なのが休憩時間の過ごし方です。
脳科学者によると、脳よりも先に身体の疲れがでるそうです。
肩こりや腰痛対策にストレッチなどもオススメです。
③適度に教科や単元を変える
同じ勉強の中でも気分を変えてリフレッシュする工夫をしてみましょう。
④身体を動かす
脳科学によると人間は身体を動かしているときの方が脳の働きが活発になります。
これは、身体を動かすと集中力や記憶力の指標である「シータ波」が発生するためです。
書き取り、貧乏揺すり、歩きながら英単語音読など、五感を活用すると覚えやすくなりますよ!
まとめ
テストや受験を控えている時期は、他の人がどれくらい勉強しているのか気になるものです。
しかし、勉強は勉強時間だけでは語れません。極端な長時間勉強にはカラクリや、ただならぬ工夫や努力があるものです。
「勉強時間」という結果だけを求めるのではなく、密度の濃い勉強をして学習の定着をはかりましょう。
執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ。
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