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コツをつかんで一気に攻略! 古典単語の覚え方

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日本語なのに日本語じゃない、わかるようでわからない、覚えたつもりで忘れている、問題にされると答えられない…古典の単語は出てこなくても、古典の攻略し難さを表現する言葉ならふんだんに出てくる、という受験生は多いのではないでしょうか。現代文や数学、英語に時間を取られるあまり、ついつい後回しにしてしまいがちな古典ですが、覚えるコツをつかめば少ない時間でも対策を取ることは可能です。古典単語の覚え方や勉強法、覚えるときのちょっとしたコツなどについてご紹介しましょう。

 

古典の勉強がなかなか進まない理由

「古典単語の覚え方を知りたい」と考えている人は、古典の勉強がなかなか進まない自覚があったり、古典に対する苦手意識があるはずですね。そもそも古典の勉強がなかなか進まず、苦手に感じる理由はどこにあるのか、という点について考えてみましょう。

 

■古典に多くの時間を割く必要はないと考えている

センター試験の配点中、古典が占める割合は国語200点中50点です。決して低い配点とはいえませんが、古典の対策に多くの時間をかけるなら、数学や英語をメインに勉強した方が獲得できる点数は高くなりますね。古典は科目というよりも、国語の中の1つの出題範囲であり、もともとそこまで時間をかけて対策する科目ではない、と考えるのも間違いではありません。

 

しかし、「多くの時間を割く必要はない」ことと「古典ができないままでよい」ことはイコールではありません。少ない時間の中でしっかりと対策を取ることで、50点の加点を取り逃さなければ志望校の範囲も広がります。また、古典単語を覚えるときのコツを知ることで、加点以外の別のメリットも得ることができます。それについては後でご紹介するとして、ここでは「古典の勉強に多くの時間は必要ないが、対策は取るべきである」と覚えておいてください。

 

■現代文と似ているために、わかったつもりになりやすい

古典といえども、現代文と同じ日本語で書かれたものですから、文章や物語が「まったく理解できない」ということはありません。授業を受けたり、現代語訳された分を読めばなんとなく内容がわかるため「理解できる」と感じるでしょう。この「わかったつもりになってしまう感覚」も、古典の勉強が進まない大きな理由の1つになっています。

 

学校の授業では、文部科学省の定める学習要領に沿って進める必要があるため、1つ1つの文法や単語について丁寧に解説していると時間が足りず、時に駆け足で授業が進む場合もあります。その際「ここは前に出てきたからもういいですね」「ここは各自覚えるようにしてください」と流した部分があったとしても、日本語としてなんとなく理解できるだけに「わからない」と感じにくいのです。

 

普段私たちが日本語を使うとき、意識して「理解しよう」「覚えておこう」と努力することが少ないように、古典に対してもつい同じような感覚でとらえてしまいます。英語を勉強しようとするときには持っている「覚えよう」という心構えが、普段意識せず日本語を使っている国民であるがために薄まってしまうわけです。

 

古典に出てくる単語には普段使わない表現もあれば、現代の日本語と同じ単語であるにもかかわらず、違った表現として使われるものも数多くあります。古典単語のなりたちについて、英語を学習するときと同じような姿勢で向き合うことができれば、英語で覚えるべき単語数よりもはるかに少ない古典単語に悩まされる機会はずっと少なくなることでしょう。

 

■文法とセットにして覚えていない

古典単語を覚えるときには、英単語を覚えるときのような姿勢で挑むことが大切ですが、同時に文法についても理解しておかなければなりません。なぜなら、古典の出題形式は英語と違い、単語だけを羅列して意味を問われる、というパターンの問題が少ないからです。

 

たとえば、徒然草の「あやしうこそものぐるほしけれ」という文章では、「あやし」という形容詞の連用形「あやしう」に「こそ」という係助詞がつき、「ものぐるほし」という已然形の形容詞に「こそ」の係り結び「けれ」がついて終わっています。

 

「あやし」という単語の「不思議な、妙な」という意味や「ものぐるほし」の持つ「気が変になりそうな」という意味に加え、活用形や「こそ~けれ」という助詞の意味、係り結びの関係をセットで覚えていないと、他の古文への応用が難しくなるのです。

 

実際には「あやし」にも「ものぐるほし」にも他の意味があり、別の古典文では違った意味合いで登場することもあります。これは後で説明する「プラスマイナスの関係」を意識することも大切ですが、古典の単語を覚えつつ文法の復習をすることで、より立体的に古典を理解できるようになるでしょう。

古典単語を効率よく覚えるコツ

古典の勉強が進まない理由が分析できたところで、次に古典の単語を短時間で覚えるためのコツについてご紹介していきます。

 

■参考書は最低でも2冊買う

時間をかけずに効率よく単語を覚えるためには、参考書は吟味したものを揃えることをおすすめします。参考書を選ぶうえでのポイントは「収録されている単語が多いものほど、解説が少ない」ということです。古典単語や文法の理解に自信がないときは、収録されている単語は少なくても解説文や例文の多く載っているものを選ぶことでとっかかりができ、理解を深めやすくなります。

 

最初は単語数200台程度のものから始めて、基本的な単語や文法についてある程度理解できたところで、受験範囲を網羅する600台程度の参考書を利用する、というように、参考書は最低でも2冊準備するとよいでしょう。

 

■10~15分程度で毎日反復して覚える

受験で覚えるべき古典単語はおよそ300~600で、これは大学受験で覚える英単語の10分の1程度です。毎日30個ずつ覚えたら1ヶ月足らずで覚えられる計算ですが、英語と違って古典の単語は日常生活で使う機会がなく、現代文の単語と意味が似ているため非常に忘れやすいものです。

 

古典の単語を覚えるときは「忘れてしまう」ことを前提として、1日に10分~15分程度の時間でよいので、毎日繰り返し反復して覚えることが大切です。繰り返し覚えているうちに記憶として定着する単語が増えてくるので、次第に反復する単語の量は少なくなってきます。一夜漬けの短期決戦よりも、毎日少しずつ復習して定着させてしまった方が、他の科目への影響も少なくなります。

 

■単語の漢字と一緒に覚える

古典単語の覚え方は、韓国語の勉強に似ているところがあります。韓国語は日本語と共通する単語が多く文法も似ており、日本語を話す人にとって勉強しやすい言葉ですが、日本語にはない表現や同じ発音でも違う意味になる単語も多く、混乱しやすいのです。その混乱は、韓国語の由来となった漢字を知ることで解消できる場合があり、古典にも同じことがいえます。

 

たとえば韓国語でありがとうを意味する「カムサハムニダ」の「カムサ」は漢字の「感謝」に由来しています。一見全く違うように見える単語が、漢字を知ることで更に理解を深めることができます。古文も同様にして見てみると、上で挙げた「あやし」の漢字は「奇し」と書きます。文字通り「奇妙な」という意味の漢字に由来しているとわかり、イメージや感覚として理解しやすくなるのです。

 

■語呂合わせで覚える方法も取り入れる

「古典を本当に理解したことにならない」「ナンセンスだ」といわれ、賛否両論ある語呂合わせの覚え方ですが、すべてを語呂合わせで覚えようと思うのでなければ、ぜひ取り入れたい暗記方法の1つです。

 

市販の語呂合わせ単語集には、古典単語と意味を結びつける語呂合わせの短文が載っており、関連するイラストなどとセットになっています。1つで複数の意味を持つ単語の場合、語呂合わせで覚えてしまうと対応しにくいというデメリットはありますが、通常の暗記方法でどうしても覚えられないものは、語呂合わせを併用することで取りこぼしを少なくできるでしょう。

 

■プラスとマイナスの意味を考える

古典には、現代語と反対の意味になる単語が多く、これも覚えにくさの原因となっています。たとえば「おこたる」という単語は、現代では「なまける、さぼる」という意味でつかわれますが、古典では「病気が治る」という意味合いで使われます。

 

ここには「怠る」に含まれる「ストップする」という意味合いがプラスに転じて、「病気の進行が止まる=治る」という意味になります。他にも「すごし」という単語は、現代同様「凄い、素晴らしい」というプラスの意味もありますが「ぞっとするような気味悪さ」というマイナスの意味合いでも使われます。複数の意味があって覚えにくい単語がある場合、プラスの意味とマイナスの意味の両方について考える習慣をつけると、推測しやすくなるでしょう。

 

もっと古典に勉強に親しんでみる

古典単語の効率的な覚え方を実践して受験に備える以外にも、余裕があればもう少し深く古典に触れてみることをおすすめします。「古典なんか学んで何の役に立つのか」という疑問は、古典の世界を知ることによってのみ解消されていくものです。

 

■当時の時代背景や文化に思いを馳せてみる

古典単語の由来となった漢字がわかると理解しやすくなる理由として、漢字の持つイメージが意味と結びつく点が挙げられます。単語のなりたちとしての漢字を知ることに加えて、当時の時代背景や文化を考えながら覚えることもまた、単語を習得するうえで良いサポートとなります。

 

なぜここで敬語が使われるのか、主人公の職業は当時どのように扱われていたのか、その感情に至るまでに、どれほどの葛藤があったのか。そういったことに思いを馳せれば、単語習得以上に古典から得られるものがあることでしょう。

 

■古文で作文を作ってみる

現在の出来事を作文にする要領で、古文の表現を使って文章を書いてみるのもおすすめです。当時の人々が感じた同じ気持ちは、現代ではどのようなシチュエーションで起こるのか、想像しながら置き換えてみると、その単語が持っている意味をリアルに感じられるはずです。

 

読書感想文に古典作品を選んだり、友人との会話を古文に置き換えてみたりするのもよいでしょう。過去に生きた人の心に迫り、そこに流れている感情を共有することで、時間の垣根を超えて新しい気づきが得られる。そんなところにも、古典を学ぶ大きなメリットがあるのです。

 

■地道な作業の先に大きな感動が待っている

古典の単語や文法の知識が浅いうちは、短い文章を理解するために何度も辞書を引いたり、現代語訳と照らし合わせなければなりません。なかなか理解して読み進めることができず、物語の世界に入っていくのが難しいため、途中で投げ出してしまいそうになります。

 

それでも諦めずに地道な作業を繰り返していくと、ある時スッと読み進められる瞬間が訪れます。何百年という歳月を経て、なお語り継がれる名作には人を引き込む力があり、そこから得られる感動は、いつの時代であっても大きく心を揺さぶられます。

 

英語で書かれた歌詞を見て「これはどんな意味なんだろう」と調べ始めると英語の理解が楽しくなるように、古典も単語や文法の基礎が整えば、普通の読書と同じように興味深く読み進めることができます。現代文では形容できない思いや、複雑な気持ちを表した単語がいきいきと輝き、忘れられない表現として記憶に残るとき、古典で学習した知識は受験だけのものではなく、自分の血や肉となっていることに気づくことができるのです。

 

■歴史の勉強も並行してやってみる

古典を理解するうえで、当時の文化や時代背景を知ることも大切だと紹介しましたが、その知識にもっとも役立つのが歴史の復習でしょう。著名な古典作品が多く書かれた平安時代中期頃から江戸時代あたりまでの歴史をおさらいして、風俗や文化、政治や貴族社会などについて勉強すれば、一層興味深く古文を読むことができます。逆に、日本史を楽しく勉強するために古文に親しんでみるのもよいかもしれませんね。

 

いかがでしょうか。古典単語を覚えるのが苦手な原因を探り、効率のよい覚え方を知れば、古文を読むのが楽しくなります。受験のために古典の対策を充分に取った後なら、エンターテイメントとして古典作品を楽しむ力もついているはず。古典のをかしさ、めでたさをぜひ堪能してくださいね。

執筆者:木村紫 
貿易業務とライター業を兼務するシングルマザー。人より少し豊かな人生経験から、恋愛・健康・転職・ライフハックなど、様々なジャンルで執筆活動中。ダメな人への優しいまなざしに定評がある。


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