高校数学レベルに引き上げる!因数分解の攻略方法
因数分解は高校入試だけではなく、高校数学の基礎にもなる頻出単元です。
たかが因数分解、されど因数分解です。
この記事では生活に即した面から考える「因数分解って何だろう?」から、速く正確に解けるようになるためのコツまで、しっかり解説していきます。
この記事を参考に練習問題を繰り返して、因数分解を完全攻略してしましょう!
そもそも因数分解って何だろう?
因数分解は、教科書的な説明をすると「足し算・引き算で表されている数式をかけ算で表すこと」です。
例えば展開は
(x+4)(xー2)=x^2+2x-8
ですが、
因数分解は
x^2+2x-8=(x+4)(xー2)
「これがなんの役に立つの?」と思われそうですが、「ごちゃごちゃしてよくわからない数式を、分かりやすくコンパクトに整理整頓する」のが因数分解です。
因数分解を用いると、数式が整理されて、方程式の解が分かりやすくなります。
x^2+2x-8=(x+4)(xー2)=0 なら x=ー4、2
だと簡単にわかりますね。
二次方程式、三次方程式などややこしい数式になるほど、解くためには式を整理していく必要があります。
その最初の一歩が因数分解なのです。
どうすれば因数分解できるの?
因数分解をする方法は
・公式にあてはめる
・たすきがけをする
と主に2種類あります。
実際に計算するときには
・公式でアッサリ解けないか確かめる
・二次方程式ならたすき掛けで解く
という流れになります。
公式というと「暗記かあ、イヤだなあ」と感じる方もいますが、たすき掛けでやる面倒な手順をショートカットするための道具でしかありません。気軽に覚えていきましょう!
因数分解に使える公式(二次式)
因数分解にでてくる公式を紹介します。
文字だけではわかりにくいので、イメージをつかむために好きな数字を入れて実際に計算してみましょう。
・x^2+2ax+a^2=(x+a)^2
・x^2-2ax+a^2=(x-a)^2
上2つは+かーかの違いなので、片方を覚えてしまえば計算する上ではスムーズに出来るようになります。
・x^2-a^2=(x-a)(x+a)
この公式は分かりやすい形をしているので、式の形で判断することができます。
・x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
この公式は、後述するたすきがけという方法で解くことができます。
「公式はイヤだ!」という方も後述のたすき掛けですべて解くことは出来ます。「公式は確かめないでとりあえず全部たすき掛けで解く!」というのもひとつのスタンスです。
因数分解で使える公式(三次式)
三次式の因数分解の公式もあります。
こちらも「公式を覚える」というより、自分で数字を当てはめたり、展開したりして、実際に計算をしてみた方が身につきやすいですよ。
レシートの裏でもノートの余白でもいいので、実際に数字が入るとどんな形になるのかのイメージを膨らませておきましょう。
・x^3+y^3=(x+y)(x^2-xy+y^2)
・x^3-y^3=(x-y)(x^2+xy+y^2)
上2つも+と-が違うだけなので、まずは片方覚えておけば大丈夫です。
・x^3+3x^2y+3xy^2+y^3=(x+y)^3
・x^3-3x^2y+3xy^2-y^3=(x-y)^3
この2つも符号違いのセットです。
たすき掛けのやり方
公式で解けない式は、たすき掛けで解いてしまいましょう!
たすき掛けのコツは、とにかく慣れるまで何度も計算するしかありません。
数学の基本になるので、「見たらすぐ解ける」ようになるまで練習を繰り返しましょう。
このたすき掛けに関しても、具体的な数字をいれて計算してみたり、例題をどんどん解きましょう!
まずは下のような書き込みスペースを書いておきます。
○ ○ =○
×
○ ○ =○
○ ○ ○
例として
tx^2+sx+w
を
(ax+b)(cx+d)
という形に因数分解します。
まずはこの係数を書き込んでいきましょう。
○ ○ =○
×
○ ○ =○
t w s
次にabcdでうまくいく数字を探します。
a b =○
×
c d =○
t w s
abcdについて、a×c=t,b×d=wとなる数字を探します。
さらに右側の○を埋めましょう。
バッテンで結んだ同士の数字を掛けて、それぞれを足したらsになるようにabcdの値を調整しましょう。
a b =b×c
×
c d =a×d
t w s
b×c+a×d=s
これで因数分解はおしまいです。
イコールの左側の数字を使って、
(ax+b)(cx+d)が因数分解の答えになります。
あくまでやり方の説明なので文字だらけでピントこないでしょうし、説明をみただけでは出来るようにはなりません。
まずはこの数式を因数分解してみましょう。答えはこの最後に記述しています。
x^2+7x+12
まとめ
因数分解には公式があり、まずは公式に当てはまるかを考えます。
公式をつかったショートカットが出来ないときはたすき掛けで解きます。
たすき掛けは最初は面倒くさいし難しいと感じるかもしれませんが、練習を繰り返すことで勘が良くなりスピードが上がっていきます。
苦しいのは最初だけなので、まずは公式に数字を入れて実際に展開するなど、どんどん手を動かしていきましょう。
最後に、途中でだした問題の答えは
x^2+7x+12=(x+3)(x+4)
でした。
執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ
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