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小論文のカギは構成にアリ!受験に勝つ小論文必勝法

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大学入試の小論文は、多くの受験生が苦手にしている科目です。そのため、小論文を克服できると、ライバルに大きな差をつけることができるでしょう。そこで、小論文を克服するための構成の意義と作り方についてお伝えします。

構成を覚えるのは、内容を深める時間をつくるため

小論文の学習で最も重要なことは、内容を深めることですが、構成を覚えておくと、小論文の内容を深めやすくなります。入試の小論文では、1)課題を考えて、2)自分の意見をみつけて、3)原稿用紙に書く、という3つの作業が求められます。

最も時間を割きたいのは1)と2)です。3)原稿用紙に書く作業は、最短で進める必要があります。構成を覚えると3)の時間を短縮することができます。

◇構成を覚えるのは書くスピードを上げるため
せっかく時間をかけて自分の意見を固めたのに、そこからあらためて構成を考えてしまうと、構成に合わせて自分の意見を修正する、といったミスを犯してしまうかもしれません。

そのミスを回避するには、構成を決めてしまうことです。「構成とはフォーマットのようなもの」であり、フォーマット(書式)とは「動かせない枠」のことです。つまり、フォーマットを決めてしまえば、あとは「枠」のなかに必要事項を埋めていくだけで済みます。

◇構成を覚えるのは読みやすくするため
小論文の構成(またはフォーマット)を覚えるメリットは、もうひとつあります。それは、読みやすくするためです。

小論文の採点をする大学教授たちは、第1に内容の深さを求めますが、第2に読みやすい文章を求めています。内容の深さが同程度なら、読みやすい文章の方に高い得点をつけるでしょう。

◇採点者に「よい文章かも」と錯覚させることができる
構成がしっかりしていると、読み手に「深い内容が書いてありそうだ」と錯覚させることもできます。
例えば、入試本番で、小論文の課題が難しすぎて、これまで蓄積してきた知識や情報では対応できず、深い考察ができなかったとします。このとき、せめて構成が整っている文章を書くことができれば、読者である採点者は「快適に読み込む」ことができます。

「内容は薄いけど、しっかり書いてある」と思われるのと、「何が書いてあるのかわからない」と思われるのでは、当然、前者のほうが、よりよい点数を獲得することができます。

入試の合否は、小論文だけで決まりません。他の科目で必要な得点を取ることができていれば、小論文は「足を引っ張らない程度」に書けてあれば、合格できます。小論文が苦手な人は、「構成で得点する」ことを意識したほうがよいでしょう。また、小論文が得意な人は、「構成で点数を落とさない」ようにしなければなりません。これも、受験で小論文を選ぶ受験生が、構成を学ぶメリットです。

そもそも「構成」とは、その意義を知っておこう

そもそも構成とは、いくつかの要素を組み立てて、ひとつのまとまりのあるものにすることです。小論文では、「いくつかの要素の文章」を「組み立てて」「ひとつのまとまりのある文章」にすることを構成といいます。

小論文とは500字程度で意見表明する問題です。例えば、下記の文章は、句読点や「」を含めてちょうど100字あります。

そもそも構成とは、いくつかの要素を組み立てて、ひとつのまとまりのあるものにすることです。小論文では、「いくつかの要素の文章」を「組み立てて」「ひとつのまとまりのある文章」にすることを、構成といいます。

この5倍が500字ですので、文章のボリュームとしてはかなりのものです。書くことに慣れていない人にとって、500字の文章を、一気に書き上げることは至難の業です。そこで「ひとつのまとまりのある文章」を「いくつかの要素を含む文章」に分けて書いていき、あとから「組み立てた」ほうが、整った文章にすることができます。

この際、構成を決めて書いていったほうが、考察を論理的に展開することができるのです。これは、文章のプロたちも行っている手順です。小論文の構成は、レゴのブロックのようなものです。レゴで家をつくるとき、床をつくって、壁をつくって、屋根をつくってから、それらを組み立てたほうが、正確かつ効率よく完成させることができます。

無計画に床だけ集中してつくっていくと、屋根に使うブロックが足りなくなってしまうかもしれません。もしくは、床を必要以上に狭くしてしまうと、屋根をつけ終えてもブロックが余ってしまいます。本来であれば、もっと広い家をつくれたはずです。構成は、体裁の整ったしっかりした文章をつくるために必要な執筆テクニックです。

「3分割」法と「6分割」法

それでは具体的に、構成の覚え方を紹介します。大学入試向けの小論文の構成には、3分割法と6分割法があります。小論文は、まずは大きく3つにわけ、次にその3つをさらに細分化して6つで構成します。

◇3分割とは
小論文を書くときは、次の3つのブロックを意識します。

第1ブロック:序論
第2ブロック:本論
第3ブロック:結論

この3つのブロックによる構成は、学者が書くような数万字の論文でも使われています。入試の小論文を採点する教授たちは学者であり、普段、数万字の論文を書いています。それで、入試に挑む受験生たちにも、本物の論文と同じ構成を要求しているのです。

3つのブロックで書くことは次のとおりです。

・序論で書くこと「要するにこういうことです、私はこう主張します」
・本論で書くこと「私の主張は、だから正しいといえるのです」
・結論で書くこと「私の主張が正しかったことをご理解いただけたと思いますが、こういう問題は残ります」

<序論の書き方>
小論文は小説ではありません。エンターテイメント性は一切不要です。伏線を張ったり、最後にどんでん返しをしたりする必要はありません。期待を持たせることも禁物です。小論文は純粋な情報提供ツールであり、コンパクトな知識の伝達ツールでなければなりません。読者(採点者、大学の教授たち)に、序論だけを読ませて「この小論文に何が書いてあるのか」を理解させなければなりません。
それで序論からズバッと、この小論文には「要するにこういうことが書かれてあります」と宣言し、自分の主張を明らかにします。

そして、これが最も重要なことですが、序論で打ち立てた自分の主張は、ブレずに最後の1行まで貫き通してください。なぜこの点を強調するのかというと、典型的な駄目な小論文は、いつのまにか主張が変わっているからです。これは意外に陥りやすい落とし穴なので注意してください。

<本論の書き方>
本論は、主張の裏付けを紹介する部分です。序論で「私の主張はこうです」と宣言しても、それが正しいかどうか、不鮮明です。序論を読んだ読者は、すぐに「なぜそのような主張をするのか」という興味を持ちます。本論では、その興味に応えなければなりません。本論を書くときは、証拠を提示することを意識してください。自分の主張の正しさは、事実でしか証明できません。事実こそが証拠になります。

<結論の書き方>
結論は、文章全体を整えることや、全体をまとめることを意識して書きます。読者のなかには、本論を読んでいるうちに、そもそもの主張を忘れてしまうことがあります。そこで、結論の部分でもう一度論点を明らかにしておくわけです。

また、世の中の大抵の課題は、ひとつの答えだけでは片付きません。そこで結論で「私の主張の正しさはご理解いただけたと思うが、これで完璧とはいえず、~という問題はなお残る」と書いて、論を締めます。

このように書くことで、ひとつの答えに満足することなく、引き続き学問を追求していく姿勢であることをアピールできます。最後まで「自分の論は正しい」と言い続けるのは、驕りでしかありません。

◇6分割と
3分割を意識できたら、それをさらに、次のように6分割するようにしてください。

第1ブロック:序論:1)課題の確認、2)自分の主張
第2ブロック:本論:3)主張の証拠、4)反論の紹介と反論の欠点の指摘
第3ブロック:結論:5)まとめ、6)新たな課題

それぞれ、何を書くのか解説します。

1)課題の確認で何を書くのか
課題の確認は、読者(採点者)に対して、自分は課題の意味をきちんと理解していると知らせる部分になります。そのため、文字数はあまりかけずに、端的に書ききってください。

2)自分の主張で何を書くのか
自分の主張の紹介は、小論文の前半部分のハイライトです。賛成なのか反対なのか、擁護するのか批判するのか、を明示してください。ここで「~については、いい面もあるが、悪い面もある」と、どちらともつかない書き方をすると、まとまりのない論になってしまいます。

主張には、正解はありません。小論文の採点者は、賛成を表明した小論文の点数を高くして、反対を表明した小論文の点数を低くする、といった評価はしません。誤解を恐れずにいうと、小論文の採点者は「賛成でも反対でも、どちらでもよい」と考えています。

それは、採点者の最大の関心事は「なぜこの筆者(受験生)は賛成と言い切っているのか」または「なぜ反対と断言しているのか」だからです。したがって採点者は、次の「3)主張の証拠」を早く読みたがっています。

3)主張の証拠で何を書くのか
主張の証拠の提示は、小論文の後半部分のハイライトになります。この部分の論調が弱いと、読者(採点者)は「それでは主張が正しいとは言い切れない」と判定します。つまり、評価が下がります。受験生は、知っている知識を総動員して、証拠固めをしていってください。
文字数は全体の5~6割を費やしてください。

4)反論の紹介と反論の欠点の指摘で何を書くのか
反論の紹介では、次のように書きます。
「私の主張には、~という反論が予想される」
そして、反論の欠点の指摘は、こう書きます。
「しかし、その反論には、~という問題点がある」
反論を紹介して、その反論の欠点を指摘することで、自分の主張の正しさがさらに補強されます。

5)まとめで何を書くのか
まとめは、サラっと書いて大丈夫です。ここの多くの文字を使う必要はありません。

6)新たな課題で何を書くのか
新たな課題も、例えば次のように簡潔に書いてください。
「この課題については一定の回答を出せたが、もちろんこれですべて解決できるわけではなく、社会全体で監視を継続する必要がある」

「構成」を覚えないとこういう失敗をする

小論文の構成を覚えるメリットはもうひとつあります。それは、主張の失敗を防止できることです。

小論文を書き慣れていない人は、つい「~については、いい面もあるが、悪い面もある」と書きたがります。そのほうが無難に思えるからです。序論で「~については、いい面もあるが、悪い面もある」と書き始めてしまうと、本論でいい面と悪い面を同じトーンで紹介してしまうことになります。

そして結論も「以上の考察のとおり、~については、いい面もあるが、悪い面もある」となってしまいます。これでは、何も言っていないのと同じであり、採点者は評価できません。言語明瞭、意味不明瞭な文章は避けなければなりません。

また、あちこち飛ぶ文章も、低評価を招きます。
「○○という見方もできるが、□□ともいえる、しかし△△という意見も存在し、結局☆☆となるが、それでも○○という意見は捨てがたい」

こうした小論文は実在します。頭のなかで考えが整理できていないと、こうした文章になってしまいます。構成を覚え、自分の考察を構成にはめ込む作業をすると、何も言っていない文章やあちこち飛ぶ文章を書かなくて済みます。

まとめ

小論文の評価は、受験生が持っている知識量と情報量が決め手になります。豊富な知識と大量の情報を小論文に盛り込むことができれば、高い点数がつくはずです。しかし、高校生や浪人生の知識量と情報量は、採点者の教授たちの知識量と情報量と比べると「高が知れています」。つまり、採点者たちは、小論文の内容に驚かされることはありませんし、そもそも驚かされることを期待していません。

採点者は、受験生たちの論理的思考や、知識量、情報収集能力をみたいのです。そして論理的思考は、構成に現れると考えています。構成が「ぐちゃぐちゃ」な文章は、論理的思考ができていない、知識や情報を整理できていない、と判断されます。


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