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現代文がなぜわからないのか?現代文は勉強の基礎になる!?

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皆さんは現代文にどんな印象を持っていますか。現代文は英語のように何が書いてあるのか分からないわけでも、理科や数学のような数字や記号が出てくるわけでもありませんので、他の科目に比べると苦手意識は低いでしょう。しかし、多くの人が「テストの点が伸びない!」と悩んでいます。
今回は、現代文のテスト点数を伸ばしたい皆さんに、「現代文が読めない理由」「現代文の勉強法コツ」などをお伝えしていきます。

現代文の全国平均テスト点数を知っていますか

大学入試センター試験(本試験)の国語の平均点数がどれくらいかをご存知ですか。

平成30年度大学入試センター試験(本試験)の国語の平均点数は、現代文100点、古文50点、漢文50点の200点満点で、平均点は104.68点でした。
(参照:「平成30年度大学入試センター試験実施結果の概要」

現代文、古文、漢文の点数の内訳は公表されていませんが、現代文単独での平均点も高くて60点強程度であると予想されます。

現代文は母国語だからといって、そんなに難しいものでないとすれば、平均点数はもっと高くてもよいはずです。そうではないということは、現代文を苦手とする人は多く、しっかりとした勉強が必要であることを表しているのではないでしょうか。

また、大学受験において現代文の配点を高くするような大学もありますので、戦略的な面からも現代文に勉強時間を割くことには妥当性があります。

さらに現代文が得意になると、他の科目を解く力にもなりますので、勉強しておいて損はないでしょう。ここからは現代文ができない理由を分析し、現代文ができるようになる勉強法をご紹介します。

なぜ現代文がなぜわからないのか?

①語彙力(ごいりょく)が不足している
まず一番大きな理由は語彙力です。語彙力とは、多くの言葉を扱えるということですが、扱えるということは1つの単語に対して自分の言葉で説明ができるということです。文章は単語があるからこそ成り立っています。その単語を理解することができるということは文章を理解することに繋がります。たとえば、以下の単語をご覧ください。

太陽りんご制限構造小さい電車時計



これらの単語ならば誰でも知っているでしょう。しかし、この単語について説明してくださいと聞かれた場合はどうでしょうか。
1つくらいは説明しにくい単語があるのではないでしょうか。その説明しにくい単語は概念を表す「抽象語」である場合が多いでしょう。一方で皆さんが、現実に見ることができる単語を「具象語」と言います。先ほどの単語を抽象語、具象語に分けると、以下のようになります。

・抽象語: 制限 構造 小さい 主義
・具象語: 太陽 りんご 机 電車 時計

抽象語は知っているようで、いざ説明しようとした場合、どう説明すればよいのか分からないという人が多いのです。語彙力は具象語だけではなく、抽象語を扱えてこそ真の語彙力がついたと言えます。

それでは抽象語を扱うにはどのようにすればよいのでしょうか。それはズバリ、「イメージする」ことです。

本来、文字は記号にしか過ぎません。よく考えてみれば「り」、「ん」、「ご」、であの赤い果物を意味するのはおかしいですよね。言葉は、ある記号に対して実際に存在する物や、状態、現象を結びつけたものです。

具象語では実際にあるものを対象としているので比較的にイメージしやすいですが、状態や性質を表す抽象語では「イメージする」ことが、なかなか難しく、それができなければ扱うことができません。そこでイメージするために重要となるのが、「より多くの言葉を覚えること」です。
シンプルなようで、これが多くの人が分かっているようで分かっていない、大きな落とし穴なのです。たくさんの言葉を知っているからこそ、あらゆる言葉の意味を理解(イメージ)できるのです。

②読解力が不足している
読解力とは現代文において欠かすことのできない力であり、難しい文章になればなるほどこの読解力が必要になります。読解力は社会に出てからも使える力であり、コミュニケーションを取るときには欠かせません。
現代文で使われる文章は、「AであるからB」といったように、論理的に文章が構成されています。つまり、読解力が不足しているということは、その論理的な構成が理解できていないということなのです。この論理的構成を理解するための鍵となるのが、「なぜ」という思考を持つことです。
「なぜ」という思考は普段の生活からできます。人が行動することにも理由がありますし、他にも建物が建てられている理由、法律が決まっている理由など世の中には様々な「なぜ」があります。そのように疑問を持つこと、それに対しての答えを見つけることが、読解力の本質であり、現代文においても同じことが言えるのです。それでは次に、「語彙力」と「読解力」を強化するための現代文の勉強法をご紹介します。

語彙力の強化

まず、最初に「語彙力」を強化するために普段の日常生活でもできる勉強法について見ていきましょう。 ・より多くのメディアに触れる
より多くのメディアに触れることで、たくさんの単語に触れることができます。分野は問いませんので、まず自分が興味の持てる分野の本を読んでみてください。
もし活字が苦手というのであれば、漫画から入ってみましょう。漫画は文字と絵が両方描かれているので、単語にイメージを結びつけるのにも役立ちます。単語とイメージを結びつけるという点においては、テレビドラマやアニメを見ることでも、語彙力を強化できます。しかし、これらだけでは、単語に偏りが出てしまいます。単語に偏りを生まないためには新聞を読むようにしたり、テレビニュースを見たり、幅広く語彙力を鍛えることをおすすめします。

・自分の言葉にして説明してみる
人は説明するときには、自分の理解している言葉しか使えません。自分の使える言葉で説明することで新たな語彙を習得することができます。また、人に説明することによって使っている語彙に対してさらに理解を深めることができるだけでなく、本当は理解できていない語彙を見つけ出すこともできます。

・知らない単語に出会ったときに調べる癖をつける
知らない単語に出会ったときは調べる癖をつけるようにしましょう。インターネットで数10秒あれば単語の意味はすぐに知ることができます。都度、調べるのが面倒くさいと思うかもしれませんが、その積み重ねが語彙力を伸ばすことに繋がります。

・セットで覚える
対義語とセットで覚えることで、理解が高まる語彙もあります。簡単な例を挙げると、「兄」と「弟」という単語が挙げられます。これらの単語はそれぞれが互いの単語を定義する役割を担っています。難しいような単語でもセットで覚えることで理解語が高まります。また、片方の単語の意味を忘れていても対義語を覚えていれば、そこから意味を推測することもできます。

・アウトプットする
覚えた単語を使うことによって理解を深めることができます。人に話すことでアウトプットもできますが、ここでTwitterなどのSNSを活用するのもおすすめです。

・例文を作ってみる
覚えた単語で例文を作ってみましょう。そうすることによって、その単語がどのように使われるのか、多角的にみることができます。同じ単語であっても使い方次第で微妙なニュアンスの違いが生まれることもあります。本来の意味から転じて比喩的な意味を持つこともあります。その微妙なニュアンスの違いまで理解するために、例文を作る勉強法は適しています。

読解力の強化

次に「語彙力」を強化するための勉強法について見ていきましょう。こちらも普段の日常生活で実践ができますので、ぜひ試してみましょう。

・語彙力をつける
読解力を伸ばすためには語彙力は不可欠です。文章は語彙の積み重ねで成り立ちます。そのため、語彙力強化が読解力向上の第一に取り組むべき勉強になります。上で述べた語彙力強化法をぜひ試してみてください。

・要約してみる
要約することで筆者の意見や物語の流れで重要となる部分を見極めることができるようになります。また、要約するということは、自分の言葉にして言い換えることが求められるため、文章を理解する力を養うことに繋がります。自分で文章を書くという機会を持つことで、書き手の意図を知ることができます。

・音読する
現代文の問題を読むとき流し読みをしてしまっていませんか。受験の問題だろうと、読むという行為には変わりません。変に飛ばし読みする癖がついてしまうと読解力の低下を招くことに繋がります。そこで正しく読むために行ってほしいのが、「音読」です。音読することによって読み落としてしまう助詞まで意識して読むことができます。抑揚をつけながら読めば、イメージを持って文章を解釈できるようになり、筆者の意見を見つける練習にもなります。

・ツッコミを入れる
読みながらツッコミを入れてみてください。ツッコミを入れるということは、批判的な意見を持つということでありますが、批判的な意見を持つということは、文章を正しく読むということになります。つまり、ツッコむことによって正しく読む力を養うことができます。
ツッコミを入れるためには、「なぜ」そうなるのかという視点を持ちましょう。「なぜ」をぶつけて、みることで自分が納得できるのか、それとも納得できないのか見極めてみましょう。納得できない場合は、前後の文章を見てみることで、納得するためのヒントが隠れています。そして、納得できるまでツッコミを入れてみましょう。

・接続詞に注目する
「ツッコミを入れても、納得のできない場合は、前後の文を見る」と言いましたが、ヒントの文を見つけるためには接続詞に注目することが有効です。
接続詞は文の繋がりを示すため、ヒントを探すには有効です。たとえば、「なぜ」をぶつけてみても、納得できない場合には、逆接の接続詞「しかし」、「だが」などを探してみましょう、納得できていないことに対して、筆者が準備した意見が記されていることもあります。
ツッコミを入れて納得できた場合は、順接の接続詞、「したがって」、「だから」などに注目して読み進めると、深い理解で読み進めることができるはずです。

・良質な文章を読む
良質な文章と言われたところで、パッとしない人もいるかと思いますが、そんなときは、いわゆる名作と呼ばれる作品を読んでみてください。 「芥川龍之介」「太宰治」などの作品は教科書にも掲載されているように、文章として良質なものとしてまず間違いありません。最近でしたら、本屋大賞などといったものを目安にして選んでみても良いかもしれません。 なぜ良質な文章を読むことが読解力を鍛えるのかと言うと、良質な文章は論理展開、言葉の使い方が見事なまでに完成されていますからです。そういった作品を読むことに慣れれば、正しい論理展開、言葉の使い方を身につけることができ、結果として読解力がつくのです。

現代文は勉強の基礎になる

勉強において一番基礎となる教科は何かと問われたら、私は間違いなく「国語」と答えます。それはなぜかというと、「単語を覚える」という行為と、論理的に考え「読解」することは勉強における土台になるからです。
どんな教科であろうとも、単語を覚えることから始まり、論理的に読み解き、読解することによって現代文ができるようになります。

たとえば、数学で微分を理解しようとして、いきなり「導関数」などと言われても、知識がない場合は単語から意味を理解できる人は少ないでしょう。
他の教科でも同様に、ある問題などに使われる単語の意味を知らなかったら、理解できるわけありませんよね。このように語彙力のパワーは、現代文だけにとどまりません。どの教科においても単語の意味を知っているから説明ができ、理解することができるのです。つまり、「現代文は勉強の基礎の力を作る学問」なのです。

さいごに

代文が勉強において、いかに重要であるか分かっていただけたでしょうか。数学でも理科でも社会でも、まず用語を覚え、論理的に読解します。そしてテストでは、論理的に組み立てて表現する、それが本質なのです。これは社会に出ても同じです。
技術者として何かを作る、プロジェクト成功のために交渉する、どんな職業であっても求められる力になります。皆さんが現代文の力を身につけることによって、勉強はもとより、力強く社会を生き抜く力を手に入れることを願っています。


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