<つい寝すぎてしまう学生に>寝すぎによる影響とその原因
人は一生を通じて、約3割の時間を睡眠に費やすといわれています。通常は一日6~8時間を眠りに費やしますが、その枠を超えてしまう人も少なくありません。
疲労回復やリフレッシュにもなるので、睡眠をとること自体は良いものですが、寝すぎると身体に悪影響をおよぼすことになります。今は健康でも、今後問題が起こるかもしれないことを理解して改善を目指しましょう。
寝すぎてしまうことによる影響とは
睡眠は人の生活に欠かせないものですが、寝すぎてしまうことで、具体的にどんなことが起きるのでしょうか?寝すぎにより、どのような影響があるのかを説明します。
◇学習能力が低下する
睡眠の役割は脳の疲労回復だけではなく、記憶定着の役割も果たしています。具体的に説明すると、深い眠りは脳に学習内容を記憶させ、浅い眠りでは運動などの動作を学習しているのです。
ところが、睡眠のペースがずれると学習機能がうまく機能せず、記憶の定着がうまくいかなくなります。これは睡眠不足と同じで、寝すぎてしまうことで睡眠リズムが悪くなり、学習能力が低下してしまうのです。
◇頭や身体がだるくなる
目が覚めたときに、頭や身体がだるいと感じるのは「時差ボケ」と同じメカニズムといわれています。
人の身体は、目が覚めたときに光を浴びると朝だと認識する仕組みを持ち、寝すぎて遅い時間に起きると、脳はその時間を朝だと勘違いしてしまうのです。その結果、睡眠のバランスや体内リズムが崩れ、夜になかなか寝付けなくなったり睡眠の質が落ちたりして、頭や身体にだるさが残ってしまいます。
◇体重が増加しやすくなる
肥満リスクに関する研究結果によると、9時間睡眠を超えた場合にリスクが上がることがわかっています。睡眠不足も肥満に影響を与えると知られていますが、長時間睡眠もリスクを高める要因の一つです。
これは、睡眠中の消費カロリーと運動時間が関係しているといえるでしょう。眠っているときは、起きて行動しているときよりも消費カロリーが少なくなっています。そして、寝る時間が増えると起きている時間(運動時間)が少なくなり、肥満リスクにつながるのです。
◇生活リズムが乱れる
寝すぎによって体内時計の周期が乱れると、生活リズムも乱れます。人は朝起きて太陽の光を浴びることで、体内時計を整えているのです。これは、睡眠に関わるセロトニンやメラトニンを正常に分泌するうえでも重要です。
しかし、寝すぎによって体内時計の周期が乱れると、これらの物質をうまく分泌できなくなります。その結果、夜に寝つきが悪くなり昼間に眠くなってしまうなどの悪循環に陥り、生活リズムの乱れにつながるのです。
◇病気になるリスクが高まる
寝すぎの怖いところは、病気のリスクを高める点です。肥満をはじめとして、心臓疾患や認知症につながるという研究結果もあります。
これは、寝すぎてしまうと脳や心臓への負担が大きくなることが関係しているのでしょう。
睡眠不足も病気のリスクを高めるといわれますが、寝すぎるほうが高まるという説もあります。
寝すぎてしまう原因
原因を知らなければ改善できないので、まずは寝すぎてしまう原因について、理解を深めましょう。
◇思春期の生理的なもの
中学生・高校生の年齢は思春期にあたり、身体が徐々に大人のように発達していく時期です。この時期は眠気を強くなり、睡眠時間が長くなることがわかっています。
厚生労働省によると「15歳前後まで」は8時間以上の睡眠が標準的であるとされています。つまり、この場合は成長過程による生理的な要素ですので、特に心配はいらないでしょう。
◇体質
睡眠に関係するセロトニンやメラトニン、その他の神経伝達物質が少ない体質の人も存在します。分泌量が少ないために深い眠りにつくことができず、長時間睡眠となる場合があります。
この場合は、精神疾患や過眠症などの病気のリスクが上がるため、治療が必要でしょう。
◇疲れやストレス
運動した日に早く眠りたいと感じるように、疲れと睡眠には関連があります。疲労による寝すぎは回復するために仕方がないものですが、疲れを溜めすぎないように生活することも大切です。
他にも、ストレスにより睡眠の質が低下して、長時間睡眠になるケースもあります。疲れやストレスを溜めすぎないようにしましょう。
◇睡眠不足
寝だめをすれば睡眠不足は改善すると考えているかもしれませんが、それは間違いです。睡眠不足は負債として溜まっていくため、慢性的な眠気につながり長時間睡眠になりやすくなります。
週末に寝だめをした程度では改善できないので、日頃から睡眠不足にならないような生活リズムへ戻していきましょう。
寝すぎを防ぐ方法
寝すぎは身体だけではなく精神的にも負荷がかかります。寝すぎを防ぐための適切な方法を実践し、健康的な睡眠習慣を身に付けることが大切です。
◇寝る前にスマートフォンやパソコンを触らない
スマートフォンやパソコンから発生するブルーライトは、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑える働きがあります。
寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は、寝つきが悪くなる原因の一つです。寝室に持ち込んだとしても、寝る1時間前には触らないようにしましょう。
◇朝型に切り替える
生活スタイルが朝型になれば、体内時計が正常になり夜も自然と眠りにつくようになるでしょう。朝起きたときに窓を開けて太陽の光を浴びると、脳を活性化させられてすっきりと目覚められます。
また、勉強は午前中にすると集中してはかどる傾向があります。健康面のリスクを抑えられるうえに学習効率も上がるため、朝型の生活に切り替えることを検討してみましょう。
寝すぎを改善して健康的な生活を手に入れよう
寝すぎるによるリスクは大きく、学習にも影響をおよぼします。
思春期の生理的な眠気によるものであれば、心配する必要はないかもしれませんが、病気や過度なストレス、生活習慣が影響して寝すぎてしまう場合は、放置すると現状を悪くする一方です。その場合は、早めに改善することをおすすめします。
「寝すぎているな」と感じたら、朝型に生活スタイルを切り替えて睡眠時間を確保し、健康的な生活を手に入れましょう。
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