基礎から学ぶ!化学反応式の作り方
化学反応式は、化学を学ぶうえで必要な基礎知識です。
化学にはとっつきにくいイメージを持つ人も少なくありませんが、やり方を工夫することで学習のハードルを下げられます。例えば、語呂合わせで元素記号を覚えることも学習方法の一つです。
この記事では、化学反応式の基礎についてまとめています。文中では、例題を使いながら化学反応式の作り方をわかりやすく解説しますので、一緒に学んでいきましょう。
化学反応式とは
化学反応式とは、化学反応による物質の変化を式で表したものです。物質が変化することを化学変化といい、原子の数や種類が変わらないという性質を持ちます。
また、原子とは物質の最小単位のことであり、水素原子ならH、酸素原子ならOと表記します。この原子がくっつくと分子となり、水素分子(H2)と酸素分子(O2)になります。
なお、化学反応式を書く際は、原子の数が等しくなるように係数をつけて調整しなければなりません。係数とは、分子の前につく数字です。
係数をどのように調整するかは、水素分子(H2)と酸素分子(O2)が結合して水(H2O)になる場合の化学反応式を例に見てみましょう。この場合、Hの前に入っている係数2を以下のように調整します。
2H2+O2→2H2O
以上が、化学反応式の概要と基本の考え方です。次項では、化学反応式の作り方について見ていきましょう。
化学反応式の作り方
化学反応式の作り方は、次の3ステップに分解するとわかりやすくなります。
このステップを1つずつ覚えることが、無理なく理解するための近道といえるでしょう。
1.まずは変化前と変化後を書いてみる
2.原子の数を左右でそろえる
3.係数を左右でそろえる
今回は、水素分子(H2)と酸素分子(O2)の化学反応を例に解説していきます。
◇Step1.まずは変化前と変化後を書いてみる
化学反応式を作る最初のステップとして、係数のことは考えずに、変化前と変化後を元素記号で表してみましょう。
化学変化を起こす前は、水素分子(H2)と酸素分子(O2)がそれぞれ存在している状態です。そして、これらが化学反応を起こすと水分子(H2O)になります。
これを元素記号で表すと、以下のような式にすることができます。
H2+O2→H2O
◇Step2.原子の数を左右でそろえる
次に、先ほど簡単にまとめた「H2+O2→H2O」の原子の数を、左右でそろえていきましょう。
現状の式を見ると、左辺は「O2」となっているのに対し、右辺は「O」となっています。これでは、左右のOの数が合っていない状態となります。
ですから、左右のOの数を合わせるために水分子を2つにしてみましょう。これを式にすると、以下のようになります。
H2+O2→2H2O
◇Step3.係数を左右でそろえる
最後に、この化学反応式を完成させるために、係数を使って調整していきます。
先ほどのステップでは、左右でOの数を合わせましたが、今度は水素分子(H2)の数が合わなくなってしまいました。「H2+O2→2H2O」だと、左辺は水素分子が1つですが、右辺は水素分子が2つある状態です。
ですから、左辺の水素分子を2つにするため、H2の前に2をつけましょう。式にすると、以下のようになります。
2H2+O2→2H2O
これで、左右の原子の数が一致した化学反応式ができました。このように、3つのステップを踏むことで解答にたどりつくことができるでしょう。
覚えておきたい元素記号
化学反応式の作り方などを説明してきましたが、化学反応式を作るには元素記号を覚えておく必要があります。しかし、元素記号は非常に数が多いため、すべてを覚えることはなかなか難しいでしょう。ここでは、元素記号のなかでも、特に覚えておきたい元素記号20個を紹介します。
覚えておきたい元素記号は、次の20個です。この20個の元素記号覚える際は、次のような語呂合わせで覚えるのがおすすめです。
覚え方:水兵リーベぼくのふね ななまがりシップスクラークか
・水……H(水素)
・兵……He(ヘリウム)
・リー……Li(リチウム)
・べ……Be(ベリリウム)
・ぼ……B(ホウ素)
・く……C(炭素)
・の……N(窒素)、O(酸素)
・ふ……F(フッ素)
・ね……Ne(ネオン)
・なな……Na(ナトリウム)
・まがり……Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)
・シップス……Si(ケイ素)、P(リン)、S(硫黄)
・クラーク……Cl(塩素)、Ar(アルゴン)、K(カリウム)
・か……Ca(カルシウム)
なお、この語呂合わせは元素記号を覚えることが目的なので、もし引っかかる部分があれば、覚えやすいようにアレンジするとよいでしょう。
化学反応式は基礎を覚えることから始めよう
今回は、化学反応式の考え方や作り方の基礎、覚えておきたい元素記号を紹介しました。
化学を用語の集合体としてとらえてしまうと、苦手意識が生まれやすくなります。ですから、元素記号は語呂合わせ、化学反応式は数字合わせといったゲーム感覚で取り組むと、理解しやすくなるでしょう。楽しみながら化学反応式が勉強できれば、苦手意識はなくなっていくはずです。
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