センター試験頻出の「確率」に出てくる数学用語を理解しよう!
確率はセンター試験頻出の単元ですし、天気予報や宝くじなど生活にも密接に関わります。
高校数学は基本的に「計算でなんとか出来る」単元が多いですが、確率は「考え方をしっかりわかっている」状態でなければ解けないので、案外数学が得意な生徒ほど苦手だったりもします。
なぜかというと確率は、問題を読み解く力が必要であり、さらには数学用語も多く出てくるので計算が得意な生徒でも取っつきにくいのです。
まずは考え方をしっかり身につけるためにも、確率に出てくる「数学用語」に慣れていきましょう。
確率って何だろう
例えば
・雨は「降る」か「降らない」かだから「雨が降る確率は1/2」(!?)
・宝くじは「当たる」か「当たらない」かだから「宝くじが当たる確率は1/2」(!?)
・サイコロで3が「出る」か「出ない」かだから「サイコロで3が出る確率は1/2」(!?)
なんていっている人がいたら明らかに「おかしいぞ」とわかりますよね。
確率の数学的な定義で
「ある試行で起こり得る全体の事象がN通りあり、それらの起こり方が同様に確からしいとき、ある事柄で起こる場合の数がn通りならばその確率はp=n/N」とされています。
これだけではいかにも教科書の説明でサッパリわかりません。最初の雨と宝くじの例で考えてみましょう。
「試行」
試行とは、同じ条件で繰り返すことが出来、その結果が偶然によって決まる実験・観察のことです。
・雨なら、毎日の天気を観察すること
・宝くじなら、膨大な数のくじから1枚買うこと
・サイコロなら、サイコロを1回振って結果を見ること
が「試行」にあたります。
「全体の事象」
全体の事象とは、「どんな事が起こりえるか」を表します。
最初の例である雨なら、雨だけではなく、晴れ、曇り、雪、あられ、など他にも事象がありますし、宝くじならすべての宝くじの番号です。
一番分かりやすいのはサイコロで一度降ったときに出る値として、「1、2、3、4、5、6の6種類」が全事象になります。
「同様に確からしい」
「同様に確からしい」も数学用語でわかりにくいですね。
これは「同じくらいに出やすい」と考えるとよいでしょう。
サイコロならば1から6まで同じくらいでやすいです。
宝くじもすべての券で6桁がすべて当てはまる事象は同様に確からしいといえます。
天気だと季節や気候が絡んでくるので「晴れ」「雨」などの事象は同様に確からしいとはとてもいえませんね。
・「ある事柄で起こる場合の数がn通りならば」
たとえば6桁の宝くじでは、6桁すべてが当てはまる一等の場合の数は1枚です。しかし下5桁すべてが当てはまればよい2等以上でよいとすれば1桁目は1~0までの10通り、つまり10枚分当たりがあることになります。
サイコロも「3を出したい」のあれば起こる場合の数は1通りですが、もしも「3以上が出したい」のであれば、3、4、5、6の4通りが起こりえます。
確率p
以上のことをふくめて確率を文字で表すと
宝くじ1等があたる確率=1通り/すべての宝くじの枚数
宝くじ2等以上が当たる確率=10通り/すべての宝くじ
サイコロで3が出る確率=1通り/6通り
サイコロで3以上が出る確率=4通り/6通り
さらに確率の定義をサイコロを例にとって分かりやすい言葉になおすと
「サイコロを1回ふったときに、
起こり得る結果の場合の数は1~6の6通りで、
すべての結果は公平に起こり、
3以上を出したいときに起こる結果の数は4通りなので、
サイコロを1回振って3以上が出る確率は4/6」
となります。
確率を正しく導くポイント
確率がどんなものなのかイメージはつかめましたか?
ポイントは3つです。
・どんな結果が起こり得るのかすべて書き出す(把握する)こと
・それらすべての結果は、公平に出るものなのか確かめる
・すべての結果のうち、自分がほしい結果が何通りあるのか書き出す(把握する)
この3つのポイントを論理的に正しく導き出せれば、確率も導き出すことが出来ます。
「期待値」
高校数学の「確率」でやっかいな単語といえば終盤に出てくる「期待値」ですよね。
期待値は数学的には「確率の見地から算定した平均値」と説明されます。でもこれではわかりにくいですよね。
たとえばあなたが友達に、
「10面ダイスを振って、1~3が出たら100円、4~8がでたら300円、9~10が出たら800円あげるよ。ただし、参加費は500円な。」
といわれたら話に乗りますか?
この場合導かれる期待値を計算すると平均340円。つまり何回か参加したら、平均的には340円くらいずつ返ってくることがわかります。
しかし、友達に参加費を500円渡すので、結果的には自分が損をしてしまう確率の方が高くなってしまうのです。
となると、この話には乗らない方がいいかもしれませんね。
このようにあるギャンブル(試行)があったときに、何度も挑戦すると、一回当たりの平均いくらくらい返ってくるかがわかる、というのが期待値の具体的なイメージです。
ちなみに、とある宝くじの期待値は1枚当たり130円くらい。販売額は300円なのでそうそう得はできないシステムになっていることがわかります。
まとめ
確率はとにかく計算力よりも論理的思考力、つまり考え方が一番大切な単元です。
そんな確率を理解するにはまず確率に出てくる数学用語をしっかり理解しなければいけません。
確率はほぼ毎年でているというほど、センター試験頻出の単元。確実に理解してステップアップしていきましょう!
執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ
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