大学数学と高校数学は式の見た目が違う!?大学数学と高校数学の違いって?
高校から大学の数学科や物理学科に入学すると、授業が始まったときに内容がサッパリ入ってこなくてわからないときがあります。
というのも、授業スピードも高校と比較ならないほど速くなりますし、高校の教科書ほど内容も整理されていません。なにより、数学の記号表記も変わっていますのです。
この記事は、入試対策というより大学での数学でのこぼれ話ですが、合格後のイメージを膨らませるという意味で、気軽に読んでみてくださいね。
違い1 よく使う文字がギリシャ文字に!
高校数学、物理では、abcなどのアルファベットの
文字がよく使われていましたね。たとえば
ax^2+bx+cといった具合ですね。
大学にはいると定数にアルファベットを使うこともありますが、ギリシャ文字を使うことの方が多くなります。
ギリシャ文字が読めないと数学書も黒板も読めないので、内容が頭に入ってきません。読み方をそれとなくしっておくとスタートを切るにはいいかもしれません。
大文字と小文字とありますが、よく使われるものをあげると
α:アルファ
β:ベータ
Γ γ:ガンマ
Δ δ:デルタ
ε:イプシロン
θ:シータ
κ:カッパ
λ:ラムダ
μ:ミュー
ν:ニュー
ξ:グザイ
π:パイ
ρ:ロー
σ:シグマ
τ:タウ
φ Φ:ファイ
χ:カイ
ψ:プサイ
ω:オメガ
とあります。
暗記まではしなくてもいいですが、頭の片隅に入れておくといいでしょう。
ベクトルの書き方
高校数学でのベクトルは、アルファベットの上に「→」をかいて、その文字がベクトルであることを表していましたね。
大学では、「アルファベット+→」は手数がかかるからか使用しません。
「アルファベットの縦線を一本増やして太字にする」ことでベクトルであることを示します。
ぱっと見でベクトルだとわからないので最初はわかりにくいですが、慣れるとこの方が書きやすく計算も楽になりますよ!
ただ、大学の数学や物理は「腕力が大事」といわれるほど計算量は多くなります。
長い計算も面倒くさがらずにゴリゴリやれると大学数学でも強いです。
微分の書き方
高校数学では微分はy’など'(ダッシュ)記号で表していました。大学ではダッシュ記号よりf'(x)=などで表すことのほうが多くなります。
さらには大学の物理学科では xの上に・(ドット)をつけることで「xの一回微分」であることを表しさらに「速度」であることを表します。
同様にxに「・・(ドットを2つ)」つけて、「xの二回微分」「加速度」であることを示します。
余談ですが、私が大学にいた頃定期試験目前の7月に、教授に「この、xに・つけてる記号ってどういう意味ですか?」と質問して絶句させている生徒がいました。大学の物理はほぼ微分や微分方程式を解くことなので、彼は半年間の授業内容が全くわからなかった可能性すらあります……。
大学数学と高校数学のさらなる違い
記号だけではなく大学数学と高校数学にはまだまだ違いがあります。
個人的には大学数学での大きな違いは
・分かりやすい参考書がほぼない
・友達がいないと不利
・例題の解説が不親切
・具体例がほぼない
です。
・分かりやすい参考書がほぼない
高校数学は、莫大な量の参考書が販売され、中には初心者向けの本も数多くあります。
しかし、大学の数学、物理では「分かりやすい本」というものはほとんどありません。
線形代数などの大学1、2年生で習う内容は、比較的多く参考書もでています。
が、それも高校数学の参考書に比べものにならないほど少なく、必ず自分にわかる本に出会えるとも限りません。
どうしてもわからないことも普通に起こりうるので、友達と質問し合ったり議論することになります。
・友達がいないと不利
数学に限らず大学の学問は、答えが決まっているわけではないので「議論」が書かせません。最終的には世界でまだ誰も解いていない問題について研究するための能力を育てているからです。
実際の授業内容でも、友達と質問し合ったり議論し合うことで理解が深まります。
レポートなども一人の力では限界があるので、残酷ですが友達がいないと単位取得も難しくなる傾向もあります。
・例題の解説が不親切
例題の解説も、類題の解説もとにかく不親切なのが専門書です。
実際に解くと計算含めて数十行にわたるものでも、解説を見たら「この定理を使う」「これを計算すればよい」など一言書いてあるだけ、ということも少なくなく計算途中の式はほぼ書いていません。
試験前に慌てて問題を演習しようとしたときに、回答が一行だと参考書を破り捨てたくなるときもありますよ。
・具体例がほぼない
高校数学はまだ多くて3次元、生活にも即していて、具体例を考えながら内容を理解することができますが、大学数学はN次元でギリシャ文字だらけで実に抽象的です。ごりごり計算して理解をするしかありません。
まとめ
大学数学と高校数学は記号などの見た目もすっかりかわりますが、学習の仕方、学問としての数学の難しさなど数多くの違いがあります。
大学数学は難しいですが、その分高校数学にはない学問としての面白さもあります。
大学に入ってから数学が好きになったという学生も多くいるので、是非大学での数学を楽しみにしながら、受験勉強に取り組んでみてくださいね。
執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ
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