因数分解って何がしたいの?因数分解はこんなイメージだったし、役にも立つものだった!
中学校に入ると、「算数」がいきなり「数学」になって、違いも分からないまま授業に入ってしまいますよね。
そして最初に立ちはだかるのが「因数分解」。
「何をやってるのかわからないし、もう見たくもない!」という方、いきなり数学でつまづかないためにもすこし練習してみましょう。
算数と数学
因数分解とは、「乗法公式をつかって式を積の形に分解すること」。……といわれてもピンとこないものですよね。
中学校以降で触れる数式には英文字が多く使われます。
小学校では、 2+3=5 や
2+□=5 だったものが
中学校では 2+x=5 や
2x+3y=5 や
2x^2+3x=5y
といった変化をします。
英文字の部分には、なんらかの数字が入る訳ですが、数式自体がごちゃごちゃしていると、それがどんな式で、数字を増やすと増えていくのか、減っていくのかすらわかりません。
「目の前の数式がどんな数式なのか?どんな個性を持っているのか?」を知るための手段として、
・因数分解
・平方完成
高校では
・微分
なども覚えて道具を増やしていくわけです。
因数分解ってなに?
「因数」は何かというと、「ある数字や式を積(かけ算)で表したときのそれぞれの数」のこと。
15=3×5 と表せば 3、5が因数ですし
xy=x×y と表せば x、yが因数になります。
これをもう少しややこしい数式でやるのが、教科書に出てくるような
x^2+3x+2=(x+1)(x+2)
になったようなイメージです。
これにより、x^2+3x+2という式をグラフに表すと、x=ー1のとき、x=ー2のときに、y=0になる(y軸と交わる)んだな、ということが分かります。
因数分解をすることで、目の前の数式をグラフにしたときのイメージがちょっとだけわかりやすくなったわけです。
つまり因数分解とは、「ある数式を、かけ算の形に整理整頓することでわかりやすくする」こと。
「でもy軸と交わる場所だけ分かっても、肝心のグラフの形が分からないよ!」と気がつく方もいらっしゃるかもしれません。これは「平方完成」や「微分」という手段で解き明かすことが出来ます。
数式を知るための最初の手段として、因数分解をマスターしてみましょう!
でもこれ、将来役に立つの?
と思ってしまう方もいらっしゃいますよね。社会にでたら数式なんていじらないし、数式の特徴なんてどうでもいいし……なんて。
結論から言いますと、社会にでてからの方が数式(というより数字)を意識しなければいけなくなります。学校では「がんばっていれば数字(結果)が悪くてもいい」世界ですが、社会にでてしまうとそうもいきません。
例えば、あなたがとあるお店の店長になったとします。お店の経営者として、お店の売り上げを上げよう!というときに、ただ「利益をあげる」ことだけを目標にしたり、「とりあえず従業員の給料を減らす」方法ではお店がつぶれてしまいます。
そこで売り上げを因数に分解してみましょう。
売り上げ=買ってくれたお客さんの数×1人あたりのお客さんの売り上げ
お客さんの数か、1人当たりの売り上げを上げると売り上げが上がりそうですね。
これはどんどん細かく考えていくことが出来ます。
例えば、
買ってくれたお客さんの数=接客数×購入率(買ってくれる人が○○%)
1人当たりの売り上げ=商品の値段×商品の売れた個数
さらに、売れた商品の内、どの商品が何%を占めるのかなどを計算すると、「お店の売り上げがどんな因数で成り立っているのかがわかり」、「どの要素を増やせばいいのか」がわかりやすくなるわけです。
因数分解をマスターしよう!
因数分解のイメージがつかめてきたところで練習してみましょう。
因数分解は、式の中身を整理整頓する方法の一つでしたね。
因数分解は2つのパターンに分けることができます。
①同じ因数があればくくり出す
まさに「数式を整理」していますよね。
2ab-4b=2b(a-2)
②よくある数式の形は覚えてしまう
「え~暗記!?」と言われそうですが、単に「覚えてしまった方が楽」という先人の知恵として取り組んでみてください。
・x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
・x^2-a^2=(x+a)(x-a)
・x^2+2ax+a^2=(x+a)^2
二番目は、b=-a のパターン、一番下はa=bの時のパターンなので、一番上だけ覚えておけばOKです。
覚えておくと計算がすこし早くなるというだけなのでまずは基本形となる・x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)のみしっかりマスターしましょう。
あとは練習あるのみ
因数分解は単なる計算問題。素早く正確に解けるようになるには練習するしかありません。
とはいえ、因数分解そのものがどんなものなのか、どう役にたてるのイメージがあれば少しは取り組みやすくなるのではないでしょうか。
単純に計算し続けるのが苦になる場合は、適度に自分でご褒美を作ったり、時間を計ってゲーム感覚でタイムアタックするなど、楽しむ工夫を見つけてみましょう。
執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ
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