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場合によっては飲酒運転以上の危険性!こんなに怖い睡眠不足

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好きなテレビやスポーツ中継をみたり、遅くまで勉強をしてついつい寝不足になってしまったりしていませんか?

体力が有り余っているとついつい夜更かしなどの無茶をしてしまいがちですが、実は5時間以下の睡眠時間では飲酒運転と同じくらい注意力散漫となり危険になるといわれています。
つまり勉強に集中できないどころか、自転車通学等では命の危険にすらつながるのです。

睡眠不足はなぜ危険?

人間は寝ている間に体の修復や回復を行います。体の老廃物はリンパが集めて排出していますが、脳にはリンパがありません。
脳の老廃物は脳脊髄液が吸収し血液中に排出しています。
しかしこの脳脊髄液は寝ている間にしか働きません!
睡眠不足になるとこの老廃物がどんどんたまっていき、アルツハイマーなどの脳の病院の引き金となってしまうのです。

リスク1 糖尿病やガンのリスク

イギリスのBBCによる調査によると、一日の睡眠時間を1時間減らすという実験を行ったところ、糖尿病やガンに関する遺伝子が活発化したそうです。

 

リスク2 記憶力の低下

毎日の勉強した内容は、寝ている間に記憶の整理が行われています。
しかし、睡眠時間が短いと重要な情報を整理しきらないうちに新しい記憶に上書きされてしまいます。
そしてどんどん物覚えが悪くなっていくことに。

何度も同じ内容を忘れたり、昨日の晩ご飯などのちょっとした物忘れを自覚し始めたら、しっかりとしたリラックスタイムをとり、十分な睡眠をとりましょう。

 

リスク3 精神状態が不安定になる

睡眠不足の状態が慢性的に続いてしまうと、脳の中の不安や緊張に対して反応する扁桃体という部分が活発になります。
そうなるとちょっとしたことに不安になったり、いらいらしやすくなって注意力散漫になったり、気持ちの浮き沈みが激しくなってしまいます。
そうなってしまうととても落ち着いて勉強できる状況ではなくなってしまいますね。

 

リスク4 太りやすくなる

睡眠不足が続くと、食欲を増やすホルモンであるグレリンが多く分泌されやすくなります。
それだけでも食欲が増えてしまうのに、食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌量まで減らしてしまうのです。
さらにグレリンは単なる食欲だけでなく、高カロリーな食べ物を食べたくなってしまいます。

また、筑波大学の研究成果でも、おもに深い眠りであるレム睡眠が不足するとショ糖などを含んだ甘いものがほしくなることがわかっています。

甘いものや高カロリーなものを食べても満足できずさらに食べてしまうため肥満まっしぐらというわけです。
具体的には、睡眠時間が一時間短いと、肥満指数(BMI)が2.1上昇することもわかっています。

 

リスク5 免疫力の低下

受験生にとって恐ろしいのが、1~2月頃の風邪やインフルエンザではないでしょうか。
せっかく一年間一生懸命勉強しても、試験日に熱を出したり、試験を受けられなくなってしまっては台無しです。

しかし、寝不足は免疫力を低下させてしまいます。
免疫細胞の活動が活発化するのは、人間が寝ているときだからです。
アメリカの大学の研究結果によると、睡眠不足の人は病原菌に対抗する抗体の働きが50パーセントも弱くなってしまうそうです。

風邪にはワクチンがあるわけではありませんし、インフルエンザの予防注射も流行をはずしてワクチンと違う型が流行ってしまうこともよくあるので、油断できません。
実際に、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上の人よりも4倍も風邪を引きやすいという結果がわかっているそうです。

 

リスク6 心臓への負担

睡眠不足の状態では、体の疲労が蓄積し、心臓への負担が増えていきます。
これにより高血圧や動脈硬化、心臓病のリスクが増えてしまうのです。

アメリカのハーバード大学では睡眠時間が5時間以下の人は8時間以上の人よりも1.45倍も心臓病のリスクを抱えているそうです。

 

リスク7 老化を早める

カルフォルニア大学の研究では、たった一日の睡眠不足が細胞の修復周期を邪魔してしまい、細胞のダメージを促進することがわかっています。

つまり、慢性的な睡眠不足どころかたった一日の睡眠不足が老化を進めてしまうのです。

また、この睡眠不足で修復が邪魔されてしまう細胞は、感染症などと闘う免疫機能の中核も担っているので、免疫力が下がることにもつながってしまいます。

 

たかが寝不足、されど寝不足

国立精神・神経医療研究センターの研究では、健康な人でもわずか5日間の睡眠不足で不安や混乱が強まりうつになりやすくなることがわかっています。

寝不足によって体に負担がかかるだけではなく、精神的にも負担がかかり、さらには交通事故の危険性や病気の危険性まで高まってしまうのです。
普段の勉強は不安もなくすっきりとした頭で挑みたいですし、受験前の病気や事故はできるだけ避けたいですよね。

どうしても不安などで眠れない…!という方は学校のカウンセリングを受けたり、睡眠外来などにも頼ってみましょう。
最近では薬に頼らないクリニックもありますし、薬局でも睡眠改善薬を扱っていたりもしますよ。

執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ。


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