志望校にスルッと合格できる夏休みの勉強法と過ごし方
日ごろ、塾や学習教室へ通っている人なら、受験生にとって夏休みの勉強がどのくらい大切か、という話はよく聞くことと思います。
夏休みくらいゆっくりしたい、という気持ちになるのもわかりますが、夏休みは長いです。
約1ヶ月間という休みの期間中に勉強を頑張った人と頑張らなかった人とでは、休み明けに大きな差がつくであろうことは容易に想像がついてしまいます。
夏休みに勉強を続けて、しっかり力がついた状態で2学期を迎えれば、精神的にもずいぶん楽な状態で受験に挑むことができます。
志望校へスマートに、スルッと合格するために実践したい夏休みの有効な過ごし方について考えてみましょう。
夏休みも学校へ通っているように過ごそう
日ごろから学校生活を頑張っていれば「夏休み」という素敵な響きに、つい羽を伸ばしたい気持ちにもなりますが、受験生ならぐっとガマンです。
「夏休みは通学が休みになるだけで、受験生を休むわけではない。受験生を休んだ人はそれだけ遅れを取ることになる」と考え直しましょう。
夏休み中も学校へ通っているときと同じように、自宅で勉強を続けて「勉強脳」を維持します。
自宅での勉強は、学校の授業よりもいいことがあります。
静かで涼しく、好きな音楽を流しながら勉強することもできます。
学校ではクラス全員のペースで授業が進みますが、夏休みは自分だけの特別メニューで学習できます。
夏休みだからこそ力をつけられる勉強のやり方について、以下に紹介していきます。
■まずは勉強の計画を立てよう
学校へ通っているときは朝から夕方まで、お昼休憩以外は授業を受けています。
夏休みも同様に、学校へ行っている時間帯を勉強に充てましょう。
「1時間目:英語暗記」「2時間目:数学復習」のように、自分だけの時間割を作るのもいいですし、カレンダーに線を引いたり、グラフのような表にしてもかまいません。
自分の苦手な科目や範囲をチェックして、授業でさらっと流してしまったところを重点的に進めていきます。
何をどこまでやるのか、どの程度できたのかなど、到達目標がひとめでわかるような計画表を作り、計画通りに過ごすようにしましょう。
■1~2年の復習に力を入れる
中間や期末といった定期テストと違い、入学試験では中学1年生から3年生までに学習した内容の総まとめが出題されます。
当時どんなにしっかりと勉強していたつもりでも、3年生になっていればところどころ忘れている部分が出てくるはず。
特別メニューで勉強できる夏休みは、1~2年の復習に力を入れるのが正解です。
特に英語や数学といった積み重ねが大切な科目では、現在苦手と思う範囲でも、1~2年の文法や式などをおさらいすることで理解が深まり、3年で習った問題も解きやすくなることがあります。
2年分の復習を1ヶ月でしようと思えば、長い夏休みも短く感じるかもしれませんね。
■夏休みの宿題は早めに終わらせる
前述のように、1~2年の復習にたっぷりと時間を取るためにも、夏休みの宿題は早めに終わらせておきたいものです。
観察日記など日数のかかるものは別としても、図工や研究発表など、受験勉強に直接関係のない宿題はできる限り早めに終わらせましょう。
ポイントとしては、夏休みに出される全ての宿題を7月中に終わらせなくても、主要科目の宿題は8月後半に取りかかってもOKです。
復習の後の力試しとして、または2学期の授業開始に向けての肩慣らしの一環として取り組むのも悪くありません。
ここでも最初の段階で計画を立て、スマートに片づけていきましょう。
■部活やスポーツは継続しよう
夏休みでも学校があるときのように過ごすなら、勉強だけでなく部活も継続しましょう。
勉強漬けで体を動かさないでいると効率が落ちたり、集中力が弱くなったりします。
何事も大事なのはバランスです。プールやラジオ体操など、積極的に参加しましょう。
普段塾へ通っているなら、夏休み中も継続して通います。
夏期講習に参加してやる気を刺激するのもおすすめです。
体と頭をフルに使ったら、しっかりと睡眠時間もとりましょう。
自分に厳しくするのもいいですが、寝る時間や休憩時間までは削らないであげてください。
何度も言いますが、学校へ通っているときと同じようなスケジュールで過ごすだけで充分効果が期待できます。
夏休みはこう勉強する! 差がつく勉強の進め方とは
受験生としての夏休みの過ごし方についてざっくりとわかったところで、具体的な勉強の進め方について見ていきます。
夏休みの時期を7月中・お盆前・お盆後・終了直前の4つのブロックに分けると、それぞれの時期に適した計画内容が見えてきます。
やる気満々でスケジュールを組むのは良いことですが、無理な予定を立てるのは禁物です。
頑張り過ぎて夏休みの早い段階に燃え尽きてしまわないように、焦らず騒がずクールに続けられる計画を立てていきましょう。
■7月中
終業式を終えて夏休みに入ったら、わくわくする気持ちを抑えつつ、すぐに全体のスケジュール作りに取り掛かります。
図工や実験などの課題系の宿題に取り組みつつ、まとめテストやテキストなどをまずこの時期にやってみて、これまでに習ったところの苦手な範囲や忘れている部分をチェックして、時間割や計画表にまとめていきます。
部屋が散らかっているなら極力片付け、涼しくて勉強に集中できる環境づくりを目指します。
参考書や問題集はたくさんあればいいかというとそうでもなく、自分と相性の良い問題集を繰り返し解く方が身になりやすかったりします。
問題集を繰り返し使いたい場合は、直接書かずにノートに書くかコピーを取って使いましょう。
自分で問題を作るのもおすすめです。
問題は解くより作る方が理解が深まります。
■8月初旬~お盆前まで
7月中に大体の計画が整ったら、8月から本格的にスタートしましょう。
1~2年の復習に加え、7月にチェックした苦手な部分を重点的に、暗記などを中心に押さえていきます。
無理なく続けられるように、塾のある日とない日では勉強の予定を分けたり、苦手な科目や範囲の勉強時間は予定より長めにとるなど、実際に勉強していく中で必要と感じた部分の計画はその都度調整していきます。
梅雨が明けると、暑さがグッと厳しくなってきます。
セミも一斉に鳴き始め、夏も本番を迎えます。
体調と相談しながら、無理せず勉強を続けましょう。
疲れたときはこまめに休憩を取り、逆にノッているときは勉強時間を延長してもよいのです。
お盆中に家族の行事があればそちらを優先しましょう。
規則正しい生活を守れば、受験生でも遊ぶときは思い切り遊んだ方が勉強がはかどります(本当ですよ!)。
■お盆明け~8月下旬
お盆が明けたら、少しずつ2学期が始まることを意識した勉強へと切り替えていきます。
勉強系の宿題を残しているなら手をまわしつつ、ここからは問題を解くことを中心に勉強を進めていきます。
お盆明けはなんとなく中だるみしがちな時期なので、計画から大幅に遅れていないか時々チェックをして、気を引き締めつつ取り組みましょう。
気分が乗らないときは音楽を聞いたり、ストップウォッチを使ってタイムアタックに挑戦するなど、集中力が入りやすい「自分スイッチ」を探しましょう。
苦手な部分の理解に手間取り、少しくらい計画通りに進まなくても大丈夫です。
理解を深めることを優先して、わからないところは繰り返し問題を解いて頭に定着させましょう。
予定通りに終わったけどいまいち理解が足りていない、という状態より、苦手な部分がなくなった、という手ごたえが受験に対する勇気と余裕に繋がります。
■終了直前
長かった夏休みもいよいよ終盤に近付いてきたら、2学期に備えて1学期のおさらいをしましょう。
わからないところを優先して計画通りにできなかった範囲があれば、終了直前にサラッとでもよいのでひと通りチェックしておきます。
受験範囲は1~2年だけでなく、3年後半の内容も含みます。
2学期から始まる授業に問題なくついていけるように、余裕があれば終盤で予習ができると理想的です。
ひと夏を経て大人っぽく成長した背中を家族に暖かく見守られながら、始業式まで気を抜かず予習復習に励みましょう。
科目別夏休みの勉強のポイント:
長い休みもブロックに分けて、やるべきことを順番に考えていくと、夏休みに勉強しているイメージがリアルに想像できましたね。
ここでは、夏休みの勉強に取り組むうえでチェックするべき点を科目別に見ていきます。
特に英単語や歴史などの暗記は、夏休み後半になっても続けることです。
夏休み前半ほど時間を取らなくてもよいのですが、暗記は覚えてから時間を置くと忘れやすくなります。
少しの時間でも構わないので、できれば夏休み終了後も暗記の時間は毎日持つようにしてください。
■英語
英語は数学と並び、受験のために念入りにやっておきたいツートップの科目です。
大まかには文法のなりたちのおさらいと、英単語やアクセントなどの暗記系に分けられます。
両方の知識が定着すれば、長文から問題の答えを抜き出す時間も早くなります。
特に意味のわかる英単語は1つでも多く覚えたいところです。
1日10個など決めて覚えていけば、30日で300単語覚えられます。
忘れてしまうものは何度でもコツコツ覚え直しましょう。
声に出して読む、絵をイメージしながら覚えるといった暗記方法が覚えやすく、思い出しやすいものです。
■数学
数学を制するものは受験を制する、と言っても過言ではありません。
苦手な人は数学の式を見るのも嫌になったりするものですが、苦手な範囲こそ夏休みにしっかりと潰しておきたいもの。
数学は基礎さえしっかり身につけば、一気に力がつく科目でもあります。
ほとんどの人は数学全体が苦手なわけではなく、「ここはできるけどここは苦手」というように、一部の範囲が苦手なだけのことが多いです。
1~2年の復習も学年の流れ通りにやるよりも、たとえば方程式なら1次~連立~2次までというように、1つのまとまりにして進めた方が理解が深まります。
数学は余裕があればぜひ予習もしたい科目です。
3年後半で習う図形の総合問題を克服できると、受験勉強はずいぶん楽になります。
■国語
国語の力を高めると、他の科目の成績も上がることがあります。
テストの問いに対する理解力が上がるためかもしれません。
国語の力は、読むことと書くことをコツコツ続けることで高まっていきます。
良い文章に多く触れれば、作文にも良い影響を及ぼします。
受験生の夏休みは1冊の大作を読破するよりも、たくさんの短編を読みましょう。
新聞のコラムや天声人語のような短文を毎日読むのもおすすめです。
テストで出題される程度の長さの文章を、できるだけたくさん毎日読んで要点を掴む力を鍛えましょう。
漢字の書き取りや読みも毎日の勉強メニューに組み込んで続けたいものです。
■社会
社会科は「流れをつかんで重要事項を暗記する」というシンプルな方法が1番効果の出る科目です。
勉強の対策が取りやすい科目ともいえます。
参考書や教科書を見てテキストをやり、間違えたところをチェックしてやり直す、を繰り返すことで頭に定着させていきます。
1つの時代で関連するキーワードは複数出てくるので、人物や政策から派生する用語はワンセットで紐づけて覚えるようにします。
家族や友人と問題を出し合ったり、先生役になって教えたりなど、勉強に周りの人のサポートが活きやすい科目でもあります。
■理科
普通科の受験生だと、理科はなんとなく後回しにしがちです。
だからといって捨てていい科目ではないので、ノーマークで定期テストの成績を落として足を取られて後に響くことがないよう注意が必要です。
志望校に理科の試験がある場合でも、基礎的な知識が身についていれば理科からはそんなに難しい出題はないことが多いです。
漏れやうっかり忘れがないか、夏休みのうちに抜かりなくチェックしておきましょう。
これまでは楽しく遊んだ経験の方が多い夏休みですが、受験生の夏休みは今までとはちょっと違います。
人は人生のうちに何度か本気で努力しなければならない時期があるものですが、長い人生において今がまさにその時期です。
受験生である機会は、そんなに多くは巡ってきません。
この夏休みは自分にとって大切で貴重な時期だととらえ、気温に負けない熱い闘志を胸に秘めつつ、有意義な夏休みにしたいですね。
執筆者:木村紫
貿易業務とライター業を兼務するシングルマザー。人より少し豊かな人生経験から、恋愛・健康・転職・ライフハックなど、様々なジャンルで執筆活動中。ダメな人への優しいまなざしに定評がある。
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