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よくわかる偏差値の上げ方と出し方・勉強方法について

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偏差値は志望校を決めるうえでの重要な目安であり、受験生なら誰でも1度ならず気にしたことがあるものです。偏差値についてなんとなくの見方は知っていても、どんな計算方法で出されているのか、偏差値を上げるにはどうすればよいのかなど、気になる数字の割によく知らないことも多いのではないでしょうか。ここでは、効率的な偏差値の上げ方や偏差値と受験の関係など、偏差値について詳しくご紹介します。

偏差値とは

偏差値の上げ方を知る前に「そもそも偏差値って何だろう?」という疑問を解消しておきましょう。

■平均点からどれだけ得点が離れているかをはかる数字
偏差値とは、テストや模試を受けた全体の平均点に対して、自分がどの程度の位置にいるかをはかる値のことです。偏差値を上げるには「自分が受けた試験で高得点を取る」ことに加えて「他の受検者が取った平均点よりも高得点である」ことも必要となります。
たとえば100点満点のテストで90点を取ったとしても、その試験でほとんどの生徒が100点だった場合、偏差値は高くなりません。逆に60点しか取れていなくても、30点や40点だった生徒の割合が多ければ偏差値は上がり、そのテストを受けた生徒全員が取った点数の平均よりも高得点であればあるほど、偏差値は高くなるのです。

■満点を取っても偏差値が50のこともある?
ここまでの話で、数学が得意な人はもしかしたらピンと来ているかもしれませんが、偏差値の出し方には「平方根」を利用します。もちろん「数学は得意な方だけど全然ピンと来なかったし、平方根もわかるようでわからないよ」という人もまったく問題ありません。おそらくそんな人が大部分のはずです。これから平方根を使った偏差値の出し方をご紹介しますが、できるだけ難しくならないように説明しますので安心してくださいね。
「テストで満点を取ったとしても、他にも満点の人が多ければ偏差値は高くならない」ということは前もって説明した通りです。単純な例を出すと、10人中10人が50点を取ったテストで自分も50点であった場合の偏差値は50、ということになります。「じゃあ平均点とイコールなら偏差値は50なんだ」と考えたいところですが、実際の偏差値は少し違います。

■平均点の中にあるバラつきを反映させる「偏差」
100点満点のテストで80点や50点、30点などさまざまな点数の人がいた場合、その中で偏差値50付近となるためには、自分の得点が「もっとも多かった得点帯」に近い必要があります。全体の平均点だけで判断してしまうと、ほとんどの人が100点を取ったテストで1人だけ0点の人がいても平均点は50に近づいてしまうため、自分が全体でどの位置にいるかを正確につかむことが難しくなります。ほとんどの人が50点以下であったテストで唯一100点を取った人がいた場合も同じですね。偏差値では、この少数派から受ける影響を考慮して点数のばらつきを反映するために「偏差」という平方根を利用します。

■偏差の出し方
偏差値における偏差を出すためには、テストの平均値とすべての人の得点との「差」が必要になります。平均が50点のテストで60点を取ったAさんの差は10で、80点を取ったBさんの差は30、50点のCさんは0…のようにして出した全員の差を平方根として、その数を2乗した平方数を出します。Aさんのテストの平均点との差は10なので平方数は10×10=100、といった感じです。この平方数を「分散」と呼びます。
次に、分散を合計して人数で割り「差の平方数の平均値」を求めます。ここまでは大丈夫でしょうか。
1.100点満点で平均点が50点、Aさんは60点のときの差は10点
2.10点の平方数=100
3.Bさん、Cさん…とテストを受けた全員の平方数も出し、合計して平均値を出す
この平均値の平方根(2乗が平均値になる数)が「偏差(標準偏差)」となります。偏差が出たら、後は1.の点差に戻って10を掛けた数字(この場合は10×10=100)を偏差で割れば偏差値が出ます。

一瞬ややこしく思えますが、全員の得点がわかっていれば偏差値の計算自体はそんなに難しいものではありません。平方根の考え方は偏差値以外にも、株価の変動やインターネット上の地図で距離を計算するときなどにも用いられており、とても身近な数学といえます。受験生全体の得点がわからない場合には偏差値を出すことはできませんが、日ごろ塾や模試の結果などで知らされる偏差値がどのようにして計算されているのかがわかれば「得点が高かったのに偏差値が上がらない」といった疑問も解消するのではないでしょうか。

志望校を決めるときに偏差値をどう見るか

偏差値の仕組みがわかったところで、志望校を決める際の目安として、どのように偏差値を見ていくかについて考えてみましょう。

■偏差値で大切なのは「自分がどの位置にいるか」
自分が通っている学校内での偏差値も参考にはなりますが、学校で受けたテストによる偏差値は「その学校の中で自分がどのあたりにいるか」ということしかわかりません。志望校へは他の学校や地域からも受験生がやってきますから、もっと広いエリアで実施された試験の偏差値を参考にする必要があるのです。
全国模試などを受けると、受験の際に志望校について記入する欄があります。これにより、後日試験結果が送られる際に、自分が志望した同じ学校への進学を希望する他の学生の成績をピックアップして、その中で自分がどれくらいの位置にいるかを知ることができます。

■偏差値の数字にこだわり過ぎてもいけない
1つのクラスよりも1つの学年、1つの学校よりも1つの学区、地域と幅広いエリアのデータを基に偏差値を見た方が、そこから読み取れる情報はより正確になっていきます。更に自分が志望する学校へ行こうとしている生徒の中での順番や、募集定員に対する志願者数なども重要な数字です。
「自分がどの位置にいるか」についてさまざまな角度から見ていくことが大切で、偏差値はあくまでもその目安として使います。偏差値が60以上必要とされる学校で、たとえ合格圏内であっても難しい場合もあれば、逆に1つの模試で判定が低くても合格可能な場合もあります。偏差値の数字にこだわり過ぎず、多角的に判断することが大切だといえるでしょう。

■塾や予備校の講師などプロのアドバイスも参考にする
自分が志望しようとする学校と自分の偏差値について迷うなら、ひとりで悩まずに相談することをおすすめします。友人や家族に相談するのもよいですが、情報が間違っていたり古かったりするかもしれません。学校の先生へ相談しても納得がいかない場合、受験のプロが在籍する塾や予備校でアドバイスを受けてみるとよいでしょう。
受験には過去の実績や今年度の状況に加え、生徒自身がどのように勉強を進めたらよいか、といった計画を立てることも重要です。正しい指導を受けることで偏差値の見方もよりクリアになり、諦めていた志望校へチャレンジできる可能性も出てくるかもしれません。

タイプ別に見る効率的な偏差値の上げ方

偏差値がすべてではないとはいえ、やはり高いに越したことはありません。偏差値の上げ方は、現在の学力やタイプによっても違います。効率的な偏差値の上げ方について見てみましょう。

■偏差値30~40半ばの場合
現在の偏差値が30~40台の人は、実はもっとも偏差値を大きく上げやすいといえます。ダイエットで体重の重い人ほど痩せやすいのと似ているかもしれません。今まで勉強する習慣がなかった人が、1日2時間の勉強を 1か月続けるだけで、各科目20点以上伸ばすことも難しくはないでしょう。
基礎から勉強し直すことも大事ですが、はじめに模試をやってみるのがおすすめです。まったくわからなくてもよいのでとにかくやってみて、どの範囲の理解ができていないかをチェックした後に、基礎のおさらいをしつつ同じ問題集を繰り返し解くことで力がついていきます。

■偏差値40後半~50半ばの場合
偏差値が50に近い人はいわゆる「中の上」といわれる層で、塾に通っていたり自習の習慣があるなど、試験範囲についてある程度理解できている人が多いはずです。各科目の基本はできていても、配点の高い応用問題でつまずいたり、サラッと流していた範囲でのうっかり間違いなど、些細なミスで偏差値が行き詰まってしまうのです。得意科目は高得点が取れるのに苦手科目の点数は低いなど、科目によって成績にバラつきが出るのもこのタイプの人です。
受験生の中でもっとも多い成績帯であるぶん、勉強して手応えを感じても他のみんなが同様に成績を上げれば埋もれてしまうため、ワンランク高い目標を設定して勉強することが大切です。試験の出題形式に慣れ、応用問題を読み解く力をつけつつ、苦手な科目をピンポイントで引き上げる、といった勉強方法により頭1つ抜けることが可能となります。

■偏差値50後半~60台以上の場合
偏差値が60に近い人は、国公立や難関といわれる学校の受験が視野に入ってきます。勉強を続ける下地は既にできていて、普通の人がモデルやアスリートを目指すような、上級コースの鍛錬が必要となってきます。
1年間の勉強計画を月間、週間、1日あたりまで落とし込み、通学時間や早朝など、空いた時間も活用して勉強時間を効率化しましょう。週に1度は遊ぶ日を作ったり、1時間ごとに10分ずつ休憩を入れるなど、頭を休ませた方が勉強の効率を上げられます。
40点を80点にするよりも、90点を100点にする努力の方が実は大変です。特に偏差値が70に近づくほど伸びしろは少なくなるので、いくら勉強時間を増やしても偏差値が大きく上がらない、というストレスを感じやすくなってしまいます。この偏差値帯の人は真面目で努力家だったり、周囲の期待に応えようと無理をしがちな人も多いので、あまり自分を追い詰めないように意識することも大切です。

偏差値を上げるためのモチベーションの上げ方

偏差値を上げるためには勉強が必要で、勉強を続けるためにはモチベーションを保つことも必要です。なんとなくやる気が起きないときに勉強のスイッチを入れられる、ちょっとした方法についてご紹介しましょう。

■1日のスケジュールを書き出してみる
勉強しなくちゃ、と考えながらついついスマホを触ってしまったり、何時間もSNSを見てしまう、気がつくと1日が終わっていて「今日も勉強できなかったな」と自己嫌悪する日々が続いているなら、1度毎日の行動を細かく記録してみましょう。
「こんなにゲームしていたのか」「動画を見過ぎているな」など、表やメモに書き出すだけで多くの気づきが得られます。楽しみをすべてなくしてしまう必要はありませんが、遊んだりダラダラしている時間を今の1/3減らすだけでもよいのです。1日の行動のどこかに必ず勉強の時間を入れ、それを続けることで勉強が習慣化し、時間も伸ばせるようになってきます。

■ルーティンを作ってみる
勉強していても身が入らないと感じたり、予定していたページ数までたどりつかなかったりするときは、集中力や注意力が散漫になっています。勉強しているようでいて、頭に入ってこない時間はとてももったいないですね。
時間が来たらアラームが鳴るようにしておく、鏡に向かって「私はこれから数学の問題を4ページ解く」と声に出して言ってみる、ラジオ体操をしてから勉強するなど、スポーツ選手が試合の前にやるような、自分だけのルーティンを作ってみましょう。集中できる精神状態にうまく切り替えられれば勉強の効率も上がり、偏差値の向上にも役立ちます。

■ゾーンに入れるタイミングを見つける
ルーティンを作ることと少し似ていますが、自分が集中して勉強しやすい環境や時間帯を見つけることもおすすめです。深夜より早朝の方が勉強がはかどる、自室よりもリビングの方が長い時間勉強できる、暗記はお風呂に入っているときに覚えやすいなど、人によって勉強のスイッチが入りやすいタイミングはさまざまです。
これまでの学習で集中できていたときはどんな場面だったかを思い返してみて、そのタイミングで勉強に入るようにしてみましょう。同じ1時間でも、内容がずっと濃いものになることが実感できるはずですよ。

いかがでしょうか。偏差値の上げ方はもともとの偏差値や勉強方法によっても違いますし、偏差値を出す集団や時期によっても変化します。偏差値を上げることにこだわり過ぎず、時にはプロのアドバイスを参考にしながら志望校への道を目指していきましょう。

執筆者:木村紫 
貿易業務とライター業を兼務するシングルマザー。人より少し豊かな人生経験から、恋愛・健康・転職・ライフハックなど、様々なジャンルで執筆活動中。ダメな人への優しいまなざしに定評がある。


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