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【受験勉強】どうすれば集中できるのか

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大学受験に成功するかしないかは、何が決め手になるのでしょうか。その答えはいくつかありますが、間違いなく「集中力」は決め手のひとつになります。一部の「受験天才」を除いて、大多数の受験生の学力は次の数式で決まります。

学力=勉強の内容×勉強時間

勉強の内容を高度化して、勉強時間を長く取れば、自然と学力が上がっていきます。ところが勉強時間は、集中力が途切れると長くすることができません。この記事では、受験生の集中力を上げる方法を考えていきます。

「学力=勉強の内容×勉強時間」について

学力は、勉強の内容と勉強時間によって決まります。つまり、良質な勉強をしていても、短時間で勉強を終わらせてしまえば学力は上がりません。勉強時間を長くしないと、試験範囲のすべてを網羅できないからです。

しかし、いくら勉強時間を長くしても、勉強の内容が質素では学力は上がりません。例えば、基礎学力はついているのに、いつまでも基礎問題しか解いていないと、入試に太刀打ちできません。基礎問題を簡単に解く快感から抜け出せず、応用問題に進めない受験生は少なくありません。

学力を上げるには、勉強の内容と勉強時間の両方を考えないとならないのですが、この記事では、勉強時間に的を絞って紹介します。勉強時間を延ばすために必要な集中力は、どのように身につけたらよいのでしょうか。

なぜ勉強に集中できないのか

受験勉強に集中できずに悩んでいる人には信じられないかもしれませんが、苦労せず勉強に集中できる人がいます。勉強に集中できない人は、集中できている人が「持っているもの」を持っていない可能性があります。ということは、集中できている人が「持っているもの」を持てば、勉強に集中できるようになるはずです。

集中力がある人は、次のものを持っています。

・勉強を面白いと感じられる感性

・成績の上昇を楽しいと感じられる感性 ・「あの大学に合格したい」という強い気持ち

受験勉強を長時間していても集中が途切れない人は、この3つのいずれかを、または、3つすべてを持っています。「勉強に集中できない」と悩んでいる人は、自分自身を次のように変えていきましょう。

・勉強を面白がってみる

・成績が上がることを楽しんでみる ・「あの大学に合格したい」と強く思ってみる

このように変わらないと、これから紹介する「集中力アップ法」は効果を発揮しないかもしれません。

集中力アップ法1:眠るほうがよい(気分転換ではなく)

集中力が上がらない人は、集中力が途切れたときの対処法が上手でない場合が少なくありません。集中力が途切れたときに、気分転換と称して、テレビをみたり漫画を読んだりゲームをしたりする人がいますが、それはよい方法ではありません。その理由は後段で説明します。集中力が途切れたら、睡眠をとったほうがよいでしょう。

睡眠の研究者によると、睡眠は記憶の定着に役立っています。勉強したことを覚えておかないと、入試問題を解くことはできません。覚えることを記憶の定着といいます。

また睡眠には、新たに記憶したことと、すでに記憶したことを関連づけさせる効果があります。睡眠にはさらに、記憶したことをスムーズに引き出す「索引」効果もあります。

一生懸命勉強して「もうこれ以上は集中できない」と思ったら、布団のなかに入ってしまいましょう。そうすれば、新しいことを学べなくても「記憶の定着」「複数の記憶の関連づけ」「索引効果の獲得」という、受験にプラスになるものが得られます。

もうひとつ、睡眠にはよいことがあります。それは、嫌な記憶を消去する働きです。模試を受けて「全然できなかった」と感じると、落ち込むはずです。そのときは、模試の問題の読み返しを、眠ったあとにしてみてはいかがでしょうか。嫌な気持ちのまま模試の問題を読み返しても、学習効率は上がりません。寝て起きて「これから巻き返せばよい」とプラスの気持ちになってから、模試の問題を読み返しましょう。

集中力アップ法2:よい「ながら」勉強をする(悪い「ながら」勉強はしない)

「ながら」勉強とは、音楽を聴きながら勉強したり、テレビを見ながら勉強をしたりする学習法です。勉強は「嫌なこと」です。音楽やテレビは「楽しいこと」です。嫌なことを継続するには集中力が要りますが、楽しいことを継続するには集中力は要りません。楽しいことはいつまでも続けることができます。

そこで、「嫌なこと」のなかに「楽しいこと」を織り交ぜると、気が紛れて「嫌なこと」を続けることができます。これが、ながら勉強のメカニズムです。

しかし、さまざまな科学的な研究によって、ながら勉強には学習効果がない、または、低いことが確認されています。ながら勉強は「原則」しないほうがよいでしょう。

なぜ、ながら勉強に学習効果がないのでしょうか。それは、人は、必要な情報だけ獲得して、不要な情報を取り除くといった器用なことができないからです。

音楽を聴きながら勉強する人にとっての必要な情報とは、参考書に書かれてある情報です。そして、不要な情報とは音楽のリズムや歌詞です。ながら勉強での音楽は、勉強に飽きることを解消するために聴くので、リズムや歌詞を覚える必要はありません。

音楽を聴きながら勉強する人の脳には、この2つの情報が入ってきます。理想は、参考書情報だけを記憶し、音楽情報を消し去ることですが、そのような器用なことはできません。参考書情報と音楽情報が同時に記憶のなかに入ってしまうと、本当に必要な参考書情報が薄くなってしまいます。もしくは、音楽情報だけ記憶できて、参考書情報は記憶できないかもしれません。

そのため、ながら勉強をしてしまうと、うまい具合に勉強したところが試験に出ても、「この勉強をしていたときに聴いていた音楽は思い出せるけど、勉強内容を思い出せない」といったことが起こり得ます。

ながら勉強は「原則」しないほうがよいのですが、「例外」的に効果が出ることがあります。 それはジェスチャー勉強法です。体を動かし「ながら」勉強すると、記憶の定着が進むことがあります。

例えば「eat」という英単語を覚えるときに、「イート、イート」と口ずさみながら、左手に茶碗を持ち、右手に箸を持ち、ご飯を食べるジェスチャーをするのです。ジェスチャーするだけでよいので、本物の茶碗や箸、ご飯を使う必要はありません。

ジェスチャー勉強法をすると、試験で「eat」の意味を問われたとき、体の動きや「イート」という音が思い出され「食べる」と答えることができるようになります。

ジェスチャー勉強法には科学的な根拠があります。人の感覚には「多感覚相互作用」というものがあります。これは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感を同時に使うと、それぞれの感覚の印象が強くなるという現象です。 素敵な音楽を聴きながらおいしい食事をすると、音楽だけ聴いたときよりも強く「いい音楽だな」と思え、食事だけしたときより強く「おいしい」と思えるようになるわけです。

ジェスチャー勉強法も同じです。「e」と「a」と「t」と「食べる」をじっと見ているだけより、「イート」と口に出したり、ご飯を食べる動きをしたりすることで、視覚も聴覚も体を動かす感覚も研ぎ澄まされるようになります。

本物のご飯を食べているときに、左手に茶碗を持ち、右手に箸を持ったら「eat、食べる」と思い起こすかもしれません。

集中力アップ法3:「少しやって、すぐ休む」方法

冒頭で、集中力が高い人は以下の3つを持っている、と紹介しました。

・勉強を面白いと感じられる感性

・成績の上昇を楽しいと感じられる感性 ・「あの大学に合格したい」という強い気持ち

しかし、集中力が続かない人のなかには、「自分は確実にこの3つを持っている。それでも集中力が30分以上続かない」と感じている人もいるでしょう。そのような人は、「少しやって、すぐ休む」勉強法をおすすめします。

例えば、「30分以上集中できない」という人は、15分勉強して10分休むようにしてください。 このように決めると「15分勉強すれば、10分休んでいいんだ」と思うことができます。「15分勉強して10分休む」を2回繰り返すと、これだけで総勉強時間が30分になってしまいますが、しかし次の15分勉強のときも「15分勉強すれば、10分休んでいいんだ」と思えるので、なんとかクリアできるはずです。

これだけで、30分以上集中できなかった人が、45分勉強できるようになりました。

ただし「少しやって、すぐ休む」勉強法には大きな欠点があるので、これを長く続けることはできません。その大きな欠点とは、ロスが大きいことです。「15分勉強して10分休む」勉強法で1時間勉強するには、机に向かう時間を1時間40分確保しなければなりません。 計算式は以下のとおりです。

・1時間勉強=15分勉強×4回=1時間必要

・10分休み×4回=40分必要

・計1時間40分必要

つまり「15分勉強して10分休む」勉強法は時間を40%もロスしています。

「少しやって、すぐ休む」勉強法を始めたら、常に更新していく必要があります。例えば、「15分勉強して10分休む」勉強法を1週間続けて1日3時間勉強できるようになったら、次は「20分勉強して5分休む」勉強法に更新してください。「少しやって、すぐ休む」勉強法では、「1時間勉強して10分休む」状態になることを目指しましょう。

集中力アップ法4:集中力が削がれることをしない

集中力が続かない人は、自ら「集中力を削ぐこと」をしていることが少なくありません。先ほど紹介した、ながら勉強もそのひとつです。音楽を流しながら、テレビをつけながら勉強している人は、自身の集中力を自分の手で削り取っているようなものです。

集中力は有限と考えましょう。例えば、力を使う仕事は、永遠に続けることはできません。人は、ある程度疲れてしまうと、それ以上動くことができません。また、筋肉がパンパンに腫れてしまうと、作業効率が著しく低下します。

肉体労働を永遠に続けられないように、頭脳労働である勉強も永遠に続けることはできません。肉体労働で疲れが出るように、頭脳労働でも疲れが出るからです。頭脳労働で疲れて、それ以上頭を使うことができなくなった状態を「集中力が切れた」と呼ぶのです。

長時間勉強して、「これ以上勉強できない」と感じたときに「気分転換しよう」と考えてテレビを見たり、漫画を読んだり、ゲームをしたりする人がいますが、それは実は気分転換になっていません。

テレビも漫画もゲームも、勉強のための集中力の無駄遣いでしかありません。勉強をして脳が疲れているうえに、テレビや漫画、ゲームで脳をさらに疲れさせることになるからです。しかも、テレビ、漫画、ゲームは楽しいことなので、長時間飽きずに続けることができてしまいます。つまりテレビ、漫画、ゲームによる脳の疲れは、勉強による疲れより深刻になるかもしれません。

長時間勉強して、「これ以上勉強できない」と感じたときは、気分転換ではなく、眠ってしまいましょう。2、3時間眠ったら、集中力が回復するかもしれません。もしくは、そのまましっかり8時間眠り、脳と体と気持ちの疲れを取ってから勉強を再開したほうがよいでしょう。

集中力が途切れるということは、集中力にはスタートとゴールがあるということです。睡眠から目覚めた直後のリフレッシュした気持ちが、集中力のスタートです。そして集中力のゴール付近では、頭が思うように回転しないので、勉強効率が下がります。それならば、早めに眠ってしまい、早く起きて勉強したほうがよいのです。

集中力アップ法5:朝型に変える(夜型に変えるのは「△」)

夜のほうが頭が冴える、と感じている人は、夜や深夜に勉強しているかもしれません。それでも集中力が出ない場合、朝に勉強してみてはいかがでしょうか。「頭が冴える」状態と「集中して勉強できる」状態は、必ず一致するわけではありません。頭が冴えることで興奮してしまい、勉強が手につかない人もいます。

そのような人は、あえて、頭が冴えると感じない朝に勉強すれば、気を鎮めて勉強に取り組むことができるかもしれません。

朝型の勉強で集中力が上がらない人も、夜型の勉強に移行してもいいのですが、この場合は注意が必要です。なぜなら、入試は朝から行なわれるからです。また、学校や予備校の勉強も、朝から始まります。

夜型の勉強に移行して集中力が高まり、学力が上がることは喜ばしいことですが、入試直前まで夜型で勉強していると、朝、頭を働かせることが苦手になり、実力を発揮できなくなるかもしれません。また、朝、頭が働かないと、学校や予備校は1時間目の授業が頭に入ってこないでしょう。

まとめ

参考書を読み込んだり問題集を解いたりすることだけが受験勉強ではありません。集中力を鍛えあげることも立派な受験勉強です。3時間継続して勉強することができない人は、集中力の鍛錬を、受験勉強のメニューに加えましょう。

特に高偏差値大学を狙っている受験生は、1日10時間勉強が必要になることがあります。3時間も机の前に座っていられない状態では、到底入試に太刀打ちできません。集中力は、生まれながらに持っている人もいます。そのような人は、寝ることや食べることすら忘れて、好きな勉強や作業に没頭します。

しかし、集中力がない人も、訓練によって身につけることができます。この記事で紹介した方法をすべて試せば、きっと自分に合った集中力アップ法が身につくはずです。


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