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赤本が模試より大事ってホント!?志望校合格に近づくための赤本活用法

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志望校に合格するためには、大学ごとの過去問に取り組まなければなりません。学校の定期テストや模試の内容だけでは、自分の行きたい大学の過去問をどこまで解けるかはわからないものです。よく受験勉強では「傾向と対策」が大切といわれます。

過去問をまとめた「赤本」は、志望校にチャレンジするのに避けて通れない教材です。そこで、今回は大学受験を目指すならぜひ活用したい赤本のポイントをまとめてご紹介します。

赤本とは

そもそも赤本とはどのような教材なのでしょうか。

◇赤本は入試の過去問
赤本は、京都市の教学社が出版する各大学の過去の問題集です。数年分の入試問題と解答例が1冊の本にまとまっています。正式には「大学入試シリーズ」という名前が付いているのですが、表紙が赤いため古くから「赤本」として親しまれてきました。普段、使っている問題集は参考書を書いた先生たちが自分で問題を作ったり、複数の大学の過去問から応用問題を出したりしています。

一方で、赤本に掲載されているのは、すべて実際の大学で出題された入試問題ばかりです。しかも、2~3年分から大学によっては20数年分の過去問を取り扱っているので、その大学の入試問題のおおよそをつかむことができます。

◇赤本の種類
教学社から出版されている赤本は、大きく分けて4つの種類があります。

1.大学入試シリーズ
一般的に「赤本」と呼ばれている大学別の入試過去問題集です。全国の都道府県にある大学や学部ごとに500点以上の赤本が出版されていますが、「傾向・対策」、「過去問」「解答」の3つの大きなカテゴリから成り立っています。 毎年その年の年度版が刊行されていて、数年から数十年分の入試問題がまとまっています。

2.センター赤本シリーズ
センター試験の過去問題集です。およそ20年分の過去問が科目別に刊行されています。詳細な傾向分析をベースに、実際に受験した先輩学生からセンター試験の攻略法を学べるアドバイスも充実。センター試験対策がさまざまな角度から行えます。英語なら、リスニングも5年分掲載されています。スマホで実際の音声問題を聞きながら実践的に対策が可能です。

3.赤本ノート
赤本の過去問を解くのにあわせて、自分の志望校ならではの出題傾向のクセをまとめられます。大学によって出やすいジャンルや出題形式は多種多様です。志望校に必要な対策を自分の感覚でつかみとることができます。

4.難関校過去問シリーズ
東大や京大をはじめ、日本トップレベルの難関大の過去問です。「赤本」よりも徹底した解説で、これまで出題されたさまざまな問題をカバーしています。一般的に、志望校の過去入試問題とその解答を確認したい場合は、赤本やセンター赤本シリーズだけでもOKです。ただし、実践的に志望校合格を意識した直前期には、赤本ノートのように自分なりにまとめた情報が鍵を握ります。

なぜ赤本が重要なのか

ここからは、なぜ受験に赤本の活用が大切なのか考えていきます。

◇模試の判定だけで受験校を決めるのはキケン!?
志望校の大学を選ぶとき、何を基準にするでしょうか。知名度やブランド力をはじめ、地元や住んでみたい町にある、レベルが合っているなど、いくつかのポイントで大学選びをするでしょう。

特に、志望校の難易度と自分の学力がマッチしていないと、合格そのものを手に入れることが出来ません。正確に学力を把握するのは、受験の成功の可能性を高めるのにとても大切なことです。ただ、自分の学力が本当に志望校のレベルと比べて高いか低いかは、なかなか判断が難しい問題でもあります。

学力の目安にする判断材料といえば、定期テストと模試の成績の2つがその代表です。定期テストなら100点満点のうち何点取れているか、平均点と比べて自分の点数の差はどのくらいか、クラスや学年での順位はどうかなど、通学している高校を基準に学力を測ることができます。

また、全国模試ではすべての都道府県の高校生を相手にして、定期テストよりも総合的でジャンルの広い問題に取り組まなければなりません。実施する予備校や塾によって出題の傾向も難易度も、出題分野も異なります。しかも、定期テストと大きく違うのは、範囲が広いため日頃の学習の積み重ねと応用力が問われることです。

試験範囲が決まっていないため、より自分の実力がわかります。全国での偏差値や順位もハッキリわかるのも大きな特徴です。志望校選びでは、広く有名全国模試の偏差値や合格判定が参考にされますが、そのときの模試で記入した志望校がA判定だったらうれしいですし、E判定だったら合格は難しいと不安になることもありがちです。

ただ、大切なことも押さえておきましょう。全国模試の出題傾向や対策は、志望校の入試問題と基本的に関係ありません。もちろん、模試の成績や判定は、ある程度志望校までの距離や合格までに必要な学力との差を教えてくれます。しかし、センター試験ならまだしも、国公立の二次試験や私立大の入試問題は、それぞれの大学が独自に作成します。

つまり、志望校によって全国模試でよくある出題傾向と、まったく異なる問題が出されるケースが少なくないのです。大学受験では、定期テストと全国模試、そして志望校入試問題の3つの関係をよく押さえることが重要となります。クラスメイトで定期テストは成績が良いのに、全国模試になると平均点しか取れない人や、反対に定期テストはイマイチなのに全国模試の成績はバツグンという人はいないでしょうか。

これは、限られた範囲の問題を解くのが得意な人と、広いジャンルの出題で実力が問われる問題に強い人に大きく分かれるからといえます。つまり、定期テストや全国模試の成績はふるわなくても、あきらめる必要はありません。学力が志望校のレベルに見合っていて、出題傾向にマッチした学習ができている人は、普段の成績がイマイチでも、志望校に合格する可能性が見えてくるのです。

◇過去問に慣れておくことで本番に強くなる
志望校が独自に作成する入試問題に慣れることは、非常に重要です。大学が求めている基礎知識や応用力、解き方のスキルに肌でなじんでいるかが、合格への近道になります。ときどき、過去問をひたすら解き続けた受験生で、出題の意図や解き方を体で覚えていたため、「難関校の第一志望校に合格、第二志望校以下の受験は失敗した」という極端な例も起きます。

もし、その受験生が「定期テストや模試の判定が良くないから、最初から第一志望校はあきらめよう」としていたら、当然一番行きたい大学への道は開けなかったでしょう。しかし、志望校の出題意図をひたすら考え、準備を続けていれば、1点突破できる確率も高まります。

そのためにも、数年分の過去問が掲載された赤本を早いうちから手元に置いて、志望校の入試問題に慣れる取り組みが必要です。時間をかけて過去問に親しんでおけば、よほど出題に番狂わせがないかぎり、本番でも「ああ、このパターンだな」と落ち着いて問題に取り組めるはずです。

◇赤本と授業や模試との相乗効果
赤本は、ただ志望校合格のためだけのものではありません。使い方次第で、定期テストや模試の成績もぐんぐんと伸びていくことも期待できるでしょう。赤本の過去問は、最終的に受験生として志望校の入試時点のレベルが求められ、なかには高1や高2の1学期で学習するような基本的な問題もあります。

一方で、授業では習っていなかったり、応用力が問われる難しい問題を目の当たりにしたりして驚くかもしれません。しかし、最初はまったく刃が立たない問題でも、なんとなくページをめくっていくだけで知っている内容が登場して教科書や参考書で確かめたり、もっと詳しく調べたいという意欲がわいてきたりすることもあるでしょう。

そうなれば、普段の授業では扱わない視野の広い勉強ができます。そのため、全国模試の難問にあわてずに済んだり、なんとなく知っている知識で解答が見えてくる場合もあったり、つながりがわかってくるでしょう。授業ベースの定期テストと模試、そして赤本の過去問はそれぞれに別々のものととらえるのはもったいないことです。

3つは、すべてどこかでつながっていると注意しながら、日常の学習に赤本も取り入れてみることをおすすめします。

合格に生かす赤本の使い方

では、ここからは赤本の具体的な活用法をご紹介しましょう。赤本をまだ触ったことがない人、志望校の赤本を用意していない人を中心に、実際に赤本を使って学習する際のポイントをまとめてみます。

◇赤本はいつから利用する?
新年度の赤本は、前年の5月から夏にかけて出版されます。例えば、2020年版の赤本は、以下のようになっています。

・「東京大学(文科)」2019年5月26日発売
・「京都大学(文系)」2019年5月23日発売
・「北海道大学(文系−前期日程)」2019年7月13日発売
・「早稲田大学(法学部)」2019年05月30日発売
・「慶應義塾大学(法学部) 」2019年05月26日発売

ただ、書店や高校の学習指導室などには、前年度までの赤本が並んでいるので、一度気になる大学があれば中をのぞいておきましょう。大切なことは、できるだけ早く赤本を手にして、なじんでおくことです。志望校が決まっているなら、高2や高1の段階で試験日程や科目のほか、どのような問題なのかをざっと見ておくだけでも受験へのイメージがわいてきます。

ちなみに、いざ受験となった場合、新しい赤本が書店に並んでから購入するのでは遅すぎることもあります。なぜなら、学力と志望校のレベルの差が大きければ、高3の春から夏にかけて赤本を買って問題を解き始めても、間に合わない場合もあるからです。赤本は、前年度のものでも過去数年分の入試過去問題が掲載されています。

問題のレベルをチェックする意味でも非常に意味がありますので、仮の志望校でもかまいません。なんとなく行きたい大学があるなら、早めに入手しておきましょう。

◇赤本を使う最大のメリットは?
赤本は、直前期、志望校ごとの出題傾向や出題形式に慣れて、本番に備えるためには必須アイテムです。しかし、大半の人がやっているこのやり方では、志望校への道のりは険しいものになることもあります。できるだけ早く手に入れて、とにかく眺めておくのが大切な理由は、合格までに必要な勉強量が逆算できることです。

本格的に受験生になるまでは、自分の学力と志望校の難易度は具体的にイメージしづらいものです。模試の判定はあくまで、その模試の出題傾向から判断できる目安にすぎません。なぜなら、ある全国模試でA判定の大学でも、いきなり受験生がオリジナリティのある過去問に太刀打ちできるわけではないからです。

最初は、赤本の過去問を解いても、ちんぷんかんぷんで刃が立たないかもしれません。しかし、授業や予備校の学習が深まるにつれて、時間を置いてもう一度トライすると、解ける問題も出てくるかもしれません。まだ、受験が本格的になっていない時期に赤本を利用することで、志望校の難易度と自分の学力を対比することができます。

そこで、赤本を解く経験が「合格までどのくらいの学習量が必要か」「そのための学習時間は受験までに間に合いそうか」など、戦略を立てる大切な材料になります。

◇苦手分野を集中的にカバーする
過去問を数年分、解いていくと、だんだん得意な出題形式や分野と苦手な分野が見えてきます。解答を確かめるとき、×の問題や×が多い分野、また○だったけれど迷ったところなどは、今後重点的に学習をしていかなければならない部分です。合格ラインに達するには、得意分野を伸ばすことも大切ですが、点数の底上げのため苦手分野をできるだけ減らしておくことも大切でしょう。

過去問という実戦レベルの問題を日ごろから解いて苦手分野を洗い出しておけば、授業や定期テスト、模試にフィードバックも可能になります。

◇大学独自の「クセ」を見つける
定期テストや全国模試の問題は、比較的素直で誰でも解きやすい出題形式になっていることが大半です。しかし、大学ごとに作成する入試問題では、例えば英語の長文で専門用語が頻出する学術書の文章を利用して和訳させたり、世界史分野で受験する学部に合わせて関連性の高い国や地域の歴史がよく問われたりするなど、一歩進んだ対応力が求められることもあります。

赤本で過去問に親しんでおけば、大学ごとによく出る分野や好まれる出題形式を前もって把握できます。

◇オリジナルの赤本対策ノートを作る
特に、過去問を解いていて間違えた問題、苦手な分野を中心に、大学ごとに対策ノートをまとめましょう。同じ学部で大学の偏差値がほぼ変わらない場合でも、知っておきたい知識やスキルがまったく異なることもよくあります。過去問から導いた、苦手問題や分野の知識をまとめた自分なりのまとめノートがあれば、直前期や受験当日に簡単におさらいが可能です。

自分だけの赤本対策ノートには、授業や定期テスト、模試で間違えた問題、印象的な出題を関連させて記入しておけば、さまざまな場面で役立つことでしょう。

まとめ

赤本は、志望校を攻略するためにとても大切なバイブルです。できるだけ早く手に入れて、過去問に慣れ親しんでおきましょう。大学ごとに出題形式のクセや求められるレベルは異なります。そのため、過去問を数年分、解くうちに、もっと学習が必要な範囲や受験までのタイムリミットが見えてくるでしょう。定期テストや模試ともうまく組み合わせながら、赤本を積極的に使ってみてください。


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