大学無償化の制度内容を全解説!支援対象となる条件、手続き方法とは?
大学への進学を希望しているものの、家庭の経済事情によって諦めてしまう方も少なくないでしょう。しかし「大学無償化」の制度を利用すれば、行きたい学校への進学が叶うかもしれません。
今回は大学無償化の制度内容、支援対象となる条件、手続き方法やスケジュールについて詳しく解説します。大学生活にかかる費用が気になっている方、奨学金などの利用を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
【大学無償化】高等教育の修学支援新制度とは?
【大学無償化】高等教育の修学支援新制度とは?
大学無償化の制度とは、「高等教育の修学支援新制度」のことを指します。大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校に通う学生が支援対象です。
高等教育の修学支援新制度では、「授業料や入学金の免除・減額」「給付型奨学金の支給」の2種類のサポートを受けられます。
◇大学無償化の制度内容(1)授業料や入学金の免除・減額
大学無償化の支援の対象者は、大学の授業料や入学金が免除、あるいは減額されます。免除・減額の分は公費で賄われるため、卒業後に返還する必要はありません。
ただし、大学1年次の後期以降に支援を受ける方は、入学金の支援は受けられないため注意しましょう。前年に、すでに支払った授業料についても同様です。
また、授業料と入学金以外で必要な費用は、免除・減額の対象外になります。大学で必要な費用(施設の設備費など)は、各自で用意しなくてはならない点に注意が必要です。
◇大学無償化の制度内容(2)給付型奨学金の支給
支援対象者には、日本学生支援機構から返還義務のない奨学金が支給されます。かつての奨学金は貸与型で毎月返済していく必要がありましたが、新設された給付型奨学金は学業に専念するために支給されます。そのため、原則として返還する必要がありません。
なお、給付型奨学金と貸与型奨学金の併用も可能です。貸与型には第一種(無利子)、第二種(有利子)の2種類があるため、制度内容をよく確認しましょう。
大学無償化の支援対象になる条件
大学無償化は、申請すれば必ず対象になるわけではありません。支援対象になるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
◇大学無償化の条件(1)世帯の収支状況
大学無償化の対象となるのは、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯の学生です。実際に支給される金額は、年収目安や家族構成、年齢などの条件によって異なります。
今の収支状況で支援を受けられるのか、おおまかな目安を知りたいという方は、日本学生支援機構の進学資金シミュレーターを活用してみてください。
進学資金シミュレーター│日本学生支援機構
シミュレーターには「生徒・学生向け」「保護者の方向け」の2種類があります。Webサイト、スマートフォンアプリのどちらからでも利用可能です。
◇大学無償化の条件(2)学修意欲
大学無償化の制度の目的は、支援対象の学生が学校でしっかりと学び、社会的な自立を果たすことです。そのため、学修意欲が見られるか、といった点も重要視されます。
入学後の申し込みであっても、世帯の収支状況などの条件を満たしていて、学修意欲を認められれば支援対象に含まれます。
反対に対象の学生が、出席率が低い、単位を取得できていない、成績が悪いといった場合には学修意欲がないと判断され、支援を打ち切られることもあるため注意しましょう。
大学無償化の申請が通ったからといって安心せず、成績向上のために努力し続けることが大切です。
大学無償化|手続き方法とスケジュール
給付型奨学金の申し込み時期は、毎年の春と秋(年2回)です。以下のスケジュールを確認して、早めに準備をしておきましょう。
・前半期のスケジュール:4月に申し込み、7月頃に採用決定の通知
・後半期のスケジュール:9月頃に申し込み、12月頃に採用決定の通知
給付型奨学金は、学校を通して日本学生支援機構に申請します。授業料などの減免については、在学中の学校に申し込みましょう。学校ごとに申し込みのスケジュールが異なるため、個別の確認が必要です。
なお、大学無償化の手続き方法やスケジュールには、変更が生じる可能性があります。最新情報については、日本学生支援機構のホームページか、学校の窓口に確認してください。
進学を諦める前に、大学無償化の対象となるか確認を
大学無償化の制度は、学校でしっかりと学びたい方の気持ちを応援する制度です。経済的な事情で大学への進学を迷っているなら、まずは大学無償化の制度を利用できるか確認してみましょう。
授業料や入学金が免除されたり、返還不要の奨学金を利用できたりすれば、大学生活のお金を気にすることなく勉強や研究に集中できます。
なお、大学無償化の支援対象の条件に当てはまらない場合でも、貸与型の奨学金などさまざまな支援制度があります。お金の心配をせずに学びたい方は、進学を諦めてしまう前に、利用できる支援制度がないかチェックしてみてください。
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