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嘘?ホント?勉強には糖分が良いと言われる理由や根拠

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「頭を使うから甘いモノを食べないとね」
と、よくいわれますね。

しかし「頭には糖分が必要」とは、本来どういうことなのでしょうか。
どうして脳は糖分を必要としているのでしょうか。
そして受験勉強との関係とは?

今回はこの素朴な疑問に答えていきます。

脳を使うにはエネルギーが必要!

誰だって毎日食事をとりエネルギーを摂取していますが、そのエネルギーはどこで使われるのでしょうか。

脳のエネルギーの消費率は身体全体の、なんと20パーセントにも及びます。
ちなみに休みなく動き続ける心臓が11パーセントであることを踏まえると、いかに多くのエネルギーが使われているかわかりますね。

脳の重さは全身の約2パーセント程度なので、50kgの人なら脳は1kgほどしかありません。
脳は小さくてもものすごく栄養を必要とする器官なんですね。

脳がブドウ糖を使う仕組み

よく「脳はブドウ糖を使う」といいますが、これは以下のような仕組みになっています。

①毛細血管で酸素とブドウ糖が運ばれてくる
②酸素とブドウ糖が反応してATP(アデノシン三リン酸)という物質に変化する
③ATPが脳を直接働かせるエネルギー源になる
④余ったブドウ糖はグリコーゲンに変化し、血管を通して運ばれる
⑤グリコーゲンが筋肉や肝臓に蓄えられる

グリコーゲンが筋肉や肝臓に蓄えられますが、脳がブドウ糖を必要としたときに再利用できるのは肝臓のグリコーゲンのみです。
なぜなら筋肉はグリコーゲンをブドウ糖に戻す酵素を持ち合わせていないからです。

また、脳へのブドウ糖の補給が止まってしまうと5~10分でブドウ糖を使い切ってしまいます。

そのため脳のエネルギーとなるブドウ糖はたえず補給しなければいけないのです。
勉強で脳をどんどん使うときはなおさらですね。

ブドウ糖が不足してしまうと

脳がブドウ糖を消費する仕組みがわかりましたが、ブドウ糖が不足すると身体はどうなってしまうのでしょうか。

①脱力感
②記憶力の低下
③体温が上がりにくい
④基礎代謝が下がり太りやすい体に
⑤思考能力低下
⑥集中力低下
⑦イライラなどの情緒不安定
⑧計算力減衰

どれをとっても、勉強をし続ける受験生には大ダメージです。

また、極度にブドウ糖が足りない状態(低血糖)の状態では意識喪失、異常行動、けいれん、昏睡などの症状も現れます。

ブドウ糖が摂取しすぎてしまうと

ブドウ糖を過剰摂取してしまうと、身体にはどのような変化が起こるのでしょうか。

高血糖の度合いが大きくなるほど下のように変化していきます。

①ブドウ糖が脂肪へ蓄積→肥満
②骨や肌の老化が加速
これはたんぱく質が硬化するためです。
③高血糖になり糖尿病の危険性
④高血糖状態になると、脳の一部である海馬が委縮しやすくなる
⑤心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる

ブドウ糖は多すぎても少なすぎても太るの?と気にする方もいらっしゃるでしょうが、これはあくまでバランスよく摂取することが大切ということです。

ブドウ糖を摂ろう!

次は、ブドウ糖の摂りかたについてです。

研究によると、ブドウ糖と酸素を増やすことで最も効果が上がるのは記憶力だそうです。
それも、「思い出す力」ではなく「覚える力」が特に向上します。

つまり、英単語暗記、定理暗記など「何かを覚える」前にブドウ糖を摂取するのが効果的ということです。

また、酸素とセットでブドウ糖は使われるので、部屋の換気も怠らないようにしましょうね。

ブドウ糖が含まれる食品

ブドウ糖と聞くと、甘いお砂糖のイメージがあるかもしれませんが、実際は炭水化物や野菜などさまざま食品に含まれています。

「脳には糖分が必要だから!」
と白砂糖ばかり摂取するのは体に悪いので、どんな食品に含まれているかを知ってバランスのいい食事を心がけてください。

すぐにブドウ糖として吸収される白砂糖よりも、徐々にブドウ糖として分解される食品で摂取すると肥満を防ぐ効果もありますよ。

例えば以下のような食品です。

・米
・パン
・はちみつ
・バナナ

バナナは手も汚れないし、すぐ食べられるのでおすすめです。

まとめ

ヒトにとって、受験生にとって、ブドウ糖がいかに大切な栄養素かわかりますね。

前述しましたが、「ブドウ糖が必要だから」といって、白砂糖だけ食べると急激に血糖値が上がり、過剰摂取したときのマイナス面が起こりやすくなります。

ブドウ糖として少しずつ分解される食品をバランスよく食べ、同時に換気を忘れないようにすることで、ゆるゆると長く脳にブドウ糖を供給するようにしましょう。

執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ。


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