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大学受験で予備校にいつから行くか、その正解は?

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大学受験の対策で、塾や予備校へ通っている受験生、またはこれから通おうかと考えている受験生は少なくないでしょう。高校へ入学した段階から予備校へ通い始める人がいる一方で、受験生になってから通い始めたり、予備校へは行かずに受験して、志望校へ合格する人がいるのも事実です。

大学受験のために予備校へ行くのは、いつからが正解なのでしょうか。やはり予備校へは行った方がよいのか、塾だけではダメなのか、そもそも予備校へ行くことが正解なのか?などについても見てみましょう。

 

「予備校にいつから行くか」を考える前に

受験勉強の備えは、早ければ早いほどよいといわれます。結論を言ってしまうと「予備校へは高1から通うのが正解」なのですが、じゃあ今高3で予備校へ行っていなかったらアウトなのか、というとそうではありません。厳密にいうと「予備校が向いているなら、早くから通うのが正解」ということになります。予備校へいつから行くかを考える前に、自分が予備校に向いているのかどうかを考えてみましょう。

 

塾や予備校を使用した人の半数が高1の春から通っている?

マイナビが2015年に約4,500人の高校生を対象に行ったアンケートによると、全体の8割程度が大学進学を検討していて、塾や予備校へ通ったことがある人は全体の4割程度、そのうちの半数以上が高校1年の春から通っている、という結果が出ています。高1の春以外の時期に通い始めた人は割合にはバラつきがあり、5~7%の間で推移していることからも、塾や予備校へ通う人は高校入学と同時に通学を決める人が主流であるといえるでしょう。

このアンケートからは、どこへも通わずに大学進学を目指す派が多い一方で、塾や予備校を利用する人は高1の春からがっつり通う派が多い、ということがわかります。何年も塾や予備校へ通い続けるには経済的な余裕が必要なため、自習派の受験生が1番多いのも頷けますが、もともと塾通いが身についている人が、高1になる以前から通っていてそのまま続けている、というケースもあるでしょう。

 

予備校や塾には向き不向きがある

塾や予備校に向いている人は、志望校の受験対策として学校や家庭学習だけでは不安に感じたり、学校以外にどこかへ通う必要を感じていて、そこに家庭の方針や志望校選択といった理由が絡み、予備校利用の有無に影響しているようです。

逆に言えば、塾や予備校へ通わなくても学校と家庭での学習で充分対応できると考える人や、部活や友達との交流など、受験生になるまでは学校生活やプライベートを充実させたいと考えている人は、予備校や塾に向いていないといえます。

 

費用や距離など、家庭での相談も必要

自分には必要ないと感じていても、家族の勧めで予備校へ行く場合もあれば、学費以外にも送り迎えや、学費に加えて交通費の負担といった理由で諦めたり、学力が足りずに選考に漏れるなどして行きたくても行けない、というケースもあります。また、塾にしても予備校にしても、高1から通っていれば総額は結構な金額になります。大学に合格した後も、入学金や学費、場合によっては1人暮らしにかかる費用といった負担は続くので、予備校や塾は誰でもが通えるものでもないのです。

経済的な理由や学力不足以外にも、高1~2年の間は受験一色になるよりも、部活や学校生活を優先して過ごしたい、という意向もあるでしょう。いずれにしても、予備校通いを検討する場合は、志望校選びも含めて家族とよく相談して決める必要があります。

 

塾と予備校に違いはある?

塾や予備校へ行くのが向いている人で、現在予備校へは行っていないが塾には通っている場合、大学受験のためには、塾をやめて予備校へ通った方がよいのでしょうか。予備校へは通わず、塾だけで大学受験対策を取ることは可能なのでしょうか。塾と予備校の間にも、違いや向き不向きがあるのでしょうか。

 

塾と予備校の違い

塾と予備校は似ているようで結構違います。特に塾の方が向いている人は、予備校に行く必要がないかもしれません。各学校によってはそこまで差がない場合もありますが、厳密にいうと塾と予備校には下記のような違いがあります。

・学習塾:難関または中堅程度の大学へ受験を希望していて、学校の授業だけでは不安に感じており、自主学習に自信が持てないタイプ。勉強に苦手意識があり、宿題やテストなど指示があれば頑張れる。

・予備校:難関または国公立、医学部といった超難関大学への受験を希望していて、学校の授業や自主学習には自信がある。予備校へ行かなくても高い学力をキープすることはできるが、大学の情報を仕入れたり、超難関校へ合格できる力を養うために、更なる高みを目指したいタイプ

 

学習に不安がある人は塾、超難関を狙うなら予備校がおすすめ

基礎的な学力や学校の授業へついていけるか、といった不安があり、一定の学力に達するようにサポートしてもらいたい人は塾が向いていて、一定以上ある学力を、更に高めることが目的の人は予備校が向いています。他には、部活や別の習い事などの活動で忙しく、予備校へ通う時間が取れない場合は塾タイプ、勉強に比較的多くの時間が割ける人や、浪人生などは予備校が向いているタイプです。

塾向きの人が背伸びして予備校へ通うと授業についていけなかったり、学力の問題で受講できないこともあるので注意が必要です。現在塾へ通っている人は、予備校を検討する前に「本当に自分に予備校は必要か」について、じっくりと考えてみることをおすすめします。

 

塾や予備校に早いうちから通うメリット

もともと中学時代にずっと塾へ通っていた人は、高校入学と同時に塾をやめると、多くの場合「大丈夫かな」と勉強面で不安な気持ちを感じます。高校入学後も塾へ通い続ければ、個人差はありますが精神的な安心感を得ることができます。安心し過ぎて勉強がおろそかになってしまうと危険ですが、リラックスし集中して勉強ができるなら、決して悪い選択ではないでしょう。

予備校へ早いうちから通うメリットとしては、予備校で志望校についての情報を早期にたくさん手に入れることで、希望する大学選びが早い段階でより明確になったり、多くの合格実績を持つ講師に相談に乗ってもらえるといったメリットがあります。特に超難関校を志望しているなら、予備校への入学は早いにこしたことはないでしょう。

 

高1の春から通わなければ意味がない?

予備校が気になりつつ、高2や高3になってまだ行っていない人は、これから行っても意味がないかというと、そんなことはありません。予備校でも高2向けや高3向け、長期休暇の特別講習など、さまざまなプランを用意しています。試しに短期講座を申し込んでみてから、本格的に受講するかどうかを決めてもよいのです。

授業を受けてみた結果「1日も早く予備校へ通いたい!」と思うかもしれませんし、「自分に予備校は必要なく、自主学習でもいけそうだ」と心が決まる場合もあるかもしれません。行かないで後悔するより、行ってからどうするか決めた方が後々の後悔は少なくて済む、と思いませんか?

 

自習だけでも合格は可能

ここまでは予備校や塾に向いている人を中心に説明してきましたが、予備校に向いていない人、自主学習が向いている人は、必ずしも予備校へ行く必要はありません。自分で計画を立てて、参考書や問題集を利用して、自分のペースで毎日コツコツ取り組める人や、偏差値の高い高校または中高一貫校に通っている、効率よく勉強する習慣が身についており、プライベートも大事にしたいという人は、自習だけでも大学受験に対応できるでしょう。

ただし、東大や京大、私立の医学部などの超難関を受験を検討していて、今よりも学力を引き上げたいと考えている場合は、予備校への通学を検討した方がいいかもしれません。また、普通科の高校から美大や音大といった大学を受験するときも、専門の受験対策を実施している予備校の検討をおすすめします。

 

自分に合った予備校を選ぼう

ここまで読んでみて、自分はどうやら予備校に向いていて、まだ行っていないけど行ってみたい!と思ったら、予備校選びを始めましょう。具体的には大学を選ぶのと同じ要領で、自分に合った予備校を見つけるための情報を収集していきます。

 

ネットでリサーチしたら、まずは体験授業へ行ってみる

一番最初の情報収集にはネットが役に立ちますが、ホームページや口コミを見るだけでは、なかなか実情はわかりません。大学の雰囲気を見るのにオープンキャンパスへ行くように、気になる予備校がどんなところか知りたいときは、体験授業へ参加するのが1番です。

自宅や高校からのアクセスが良いかどうかや、自習室など校内の設備、講師陣による生の講義や通っている生徒の雰囲気など、ネットの情報だけではわからなかった、たくさんの情報が手に入ります。百聞は一見に如かずです。

 

ネームバリューだけで選ばない

予備校を決めるときに「有名だから」「友達が行ってるから」といった理由をよく聞きますが、ネームバリューや友達が通っている、という理由で予備校を選ぶのはあまりおすすめしません。お金を払い、時間を割いて勉強をしに行くのですから、ネームバリューや友人に合っている話を参考にするより、講師の話がわかりやすいかどうか、教材は使いやすいか、何より自分に合っているかを見極めて選ぶようにしましょう。

有名な予備校で有名な講師だからといって、必ずしも自分に合うとは限りません。予備校を選ぶ際の候補として検討するのは構いませんが、安易な理由で申し込むと、大学受験で思った結果を出せずに、後で後悔することになりかねません。

 

学費の安さで選ばない

飲食店や他のお店を選ぶように、コスパ重視で予備校を選ぶのはあまり賢い選択とはいえません。参考書やテキストを値段の安さ重視で選ぶと失敗するように、予備校の費用も安いのには安いなりの、高いのには高いなりの理由があります。

高ければよいというものでもありませんが、ネームバリューや友達が通っている、といった理由同様、学費の安さだけで予備校を決めることも避けた方がよいでしょう。

 

背伸びをしない

志望校への合格率もよく、とにかくレベルが高いコースへ申し込めば学力が上がって必ず合格できる、というわけではありません。自分の学力と差があり過ぎると、入学試験制度を設けている予備校へは通えない、という場合もありますが、無試験で受講できる場合でも、レベルに差があれば授業を受けてもすぐについていけなくなり、頭に入らなくなってしまいます。そんなことになるのは、お金も時間も本当に無駄ですね。

上でも挙げた通り、予備校の講義についていくには、講義で話される内容について理解するため、一定以上の学力が必要になります。無駄に見栄を張ったり、背伸びをしたりせず、自分の今のレベルに合ったコースを申し込む方が、学力向上や志望校合格には結果的に早道となります。

 

塾と予備校の併用もアリ

ここまで塾向き、予備校向き、自主学習向きといった3択のお話をしてきましたが、必ずどれかに絞らなければならないわけでもありません。週1コマだけ予備校に通いながら、自主学習で大学受験を目指すのもよし、経済的に余裕があるなら、短期講座や特別講習など、気になる講座があれば塾と予備校を併用するのもよしです。

もちろん、予備校へ行ったからといって必ず志望校への合格が約束されたわけではありません。塾や予備校へ通っている、という事実に満足して勉強を怠るのは、お金をドブへ捨てているのと同じです。自分のスタイルに合った方法を見つけてしっかりと勉強し、努力を重ねて志望校合格を狙いましょう。

 

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」という映画があります。打ち上げ花火は見る角度によって形が違うのかどうか、という話がキーポイントとなる映画ですが、大学受験において、予備校に早めに行くか、直前で行くかによって勉強プランがどう変わるかは、あまり重要ではありません。大学受験で大切なのは、予備校へいつから行くのかではなく、志望校合格という大きな目標を達成することです。

受験生としての不安を少しでもなくして受験勉強に取り組み、最終的に「合格」という大きな打ち上げ花火を上げるためにも、後悔しない方法を選びたいですね。

執筆者:木村紫 
貿易業務とライター業を兼務するシングルマザー。人より少し豊かな人生経験から、恋愛・健康・転職・ライフハックなど、様々なジャンルで執筆活動中。ダメな人への優しいまなざしに定評がある。


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