高校で英語以外の外国語を学ぶメリットとは?第二外国語の種類と特徴も紹介
日本では年々、あらゆる分野の国際化が進んでいます。そのため、グローバル社会で将来活躍できる力を身に付けられるよう実践的な英語教育を行なうなど、教育現場はグローバル人材の育成に力を入れています。その一環として、英語以外の外国語(第二外国語)授業を開設する高校も増えてきました。
しかし、第二外国語を学ぶメリットなどがわからず、「国際共通語の英語だけをマスターすれば、英語以外の外国語を学ぶ必要はないのでは」と思う人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、高校で英語以外の外国語(第二外国語)を学ぶメリットを詳しく解説します。併せて、第二外国語としてよく選ばれている言語の種類と特徴も紹介しますので、第二外国語の習得に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
【英語以外の外国語】第二外国語とは?
そもそも、第二外国語が何を指すのかわからない人もいることでしょう。第二外国語とは、初めて学習した外国語の次に学習する言語です。日本の学校で初めて学習する外国語は英語がほとんどのため、英語以外の外国語が第二外国語に当たります。
第二外国語はおもに大学で学びますが、昨今は高校でも履修できる学校が増えてきました。文部科学省が行なった調査によると、2018年5月時点で英語以外の第二外国語を開設している高校は全国で677校となっています。
そのなかで、最も多く設置された外国語科目は中国語。続いて、韓国・朝鮮語、フランス語、スペイン語、ドイツ語という結果が出ています。
<高等学校等における英語以外の外国語科目の開設状況>
|
| 中国語 | 韓国語・朝鮮語 | フランス語 | スペイン語 | ドイツ語 |
公立 |
| 373校 | 270校 | 117校 | 70校 | 53校 |
私立 |
| 122校 | 71校 | 82校 | 25校 | 41校 |
国立 |
| 2校 | 1校 | 2校 | 1校 | 2校 |
合計 |
| 497校 | 342校 | 201校 | 96校 | 96校 |
これらの外国語が選ばれる理由は、人口の多さや英語に次いでメジャーな言語であること。そして、日本人になじみやすい文法や発音のしやすさ、グローバルに対応できる将来性の高さなどが挙げられます。
高校で英語以外の外国語を学ぶメリット
英語以外の外国語を習うのは負担に感じる人もいるかもしれませんが、高校から第二外国語を学ぶと、次のようなメリットが生まれます。
◇外国語を学ぶモチベーションが上がる
数学や英語などの基礎科目では、成績の優劣の差が大きく出やすいものです。そのため、英語に苦手意識を持った生徒は、得意な生徒に対するコンプレックスなどから、学ぶモチベーションが下がることもあります。
しかし、英語以外の外国語の場合は帰国子女などでなければ、その言語に対する知識はどの生徒も変わらないでしょう。横一線で学び始められる第二外国語なら、優劣にとらわれず学習に集中できるということです。
現に、授業についていけず学ぶモチベーションが低下していた生徒が、高校で第二外国語としてスペイン語に出会ったことで自信を取り戻し、スペイン語学科のある大学に合格した事例もあります。
◇他国への関心が深まることで自国への興味にもつながる
外国語を学ぶと、その国への関心が膨らむことで、結果的に日本語や日本文化にも目が向くようになります。
例えば、中国語が読めるようになると中国人のブログやSNSの文章が理解でき、中国の歴史や文化をより深く知ることができます。そうするなかで、日本と違う点や日本とのつながりを知ることができ、自国について知らないことがあったことにも気が付くでしょう。
その結果、日本への関心につながります。
高校で学べる英語以外の外国語の種類
先ほど紹介した表のとおり、高校で第二外国語として選ばれるおもな言語は次の5つです。その言語を使う国の特徴などを紹介しますので、自分の学習目的と照らし合わせて、第二外国語を選びましょう。
◇中国語
中国語の話者は世界で約14億人 とされています。GDPも世界第2位 と経済大国としての存在感を放っており、その将来性から第二外国語として最も多く選ばれている言語です。
中国語の文法は欧州の言語と比べると難しくはありませんが、発音に関しては母音が36個、子音が21個 もあり難易度は高めといえるでしょう。正しく発音できないと、言葉の意味が変わってしまい相手に伝わらないため、中国語を学ぶうえでは発音が非常に重要となります。
◇韓国語・朝鮮語
韓国語・朝鮮語はおもに韓国と北朝鮮で話されており、話者は世界で約7,000万人とされています。韓国語・朝鮮語で使われるハングル文字 は、漢字や英語とはまったく別物ですが、規則性があり覚えやすいのが特徴です。
韓国語・朝鮮語は話される地域は広くないものの、文法や発音が日本語に近く、日本人が抵抗感なく学びやすい言語でしょう。
◇フランス語
フランス語の話者は世界で約3億人 いるとされ、29ヵ国 が公用語として定めています。フランス語由来の英単語があるため、英語が得意な人にとってはなじみやすい言語でしょう。
英語よりも動詞の活用は複雑になっているので、初めて習う人は難しく感じるかもしれません。しかし、さまざまな国際機関の公用語 にされており、英語の次に有用性があるとされているので、国際機関の仕事を目指す人は習得するとよいでしょう。
◇スペイン語
スペイン語の話者は約4億2,000万 人 いるとされ、チリ ・メキシコ・コロンビア・アルゼンチンなど南米諸国の公用語として、20ヵ国 で話されています。
母音の数が日本語と同じく「a」「e」「i」「o」「u」 の5つなので、発音がしやすく親しみやすいでしょう。会話の聞き取りやすさは学習向上にもつながります。
スペイン語は話者数の多さで世界ランキングの上位 に来るものの、日本での習得者が少ないため、習得すれば武器になるでしょう。
◇ドイツ語
ドイツ語の話者は約1億人 いるといわれ、おもにEU圏で公用語 とされています。文法や単語は英語と似ているため、英語が得意な人には学びやすいかもしれませんが、動詞の活用が難しくなっています。
ドイツには世界的に有名な企業が多数存在しているため、将来このような企業に入社したい人は、ドイツ語を習得しておくとよいでしょう。
英語以外の外国語を学ぶと自身の視野が広がる
高校で英語以外の外国語(第二外国語)を学ぶことは、大きなプラスになります。英語にはない発音や文法に触れることで、今まで苦手意識を持っていた科目に対しても、違う視点で取り組めるかもしれません。
英語圏以外の国を知れば客観的な視野の広がりも芽生え、より進学や就職といった将来設計がしやすくなるでしょう。どの言語を第二外国語として学ぶかは、各言語の特徴と自分の進路を踏まえて決めることをおすすめします。
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