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2021年から始まる大学入学共通テストとは?以降の背景や一般選抜との違いを解説

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2021年から大学入試センター試験に代わり、大学入学共通テストが始まるのをご存じでしょうか?大学入学共通テストになるにあたって、ただ単に名称が変わるだけでなく、テストの内容なども大きく変わります。

今回は、大学入試センター試験が廃止になった背景や、そもそも大学入学共通テストとはどういったものかを解説していきます。今後、大学受験を控えている方は参考にしてみてください。

大学入試センター試験から大学入学共通テストへ移行することになった背景

まずは、大学入試センター試験から大学入学共通テストへ移行することになった背景を見ていきましょう。なぜ、センター試験を廃止することになったのかを解説していきます。

◇大学入試を改革するため
センター試験から共通テストに移行することには、大学入試改革が関係しています。

現在の小・中・高生が大人になる頃には、現代社会が大きく変化している可能性があり、少子高齢化・グローバル化・AIの発展などの変化に対応しなければなりません。知識をつけるだけではなく、自分で問題を見つけて仲間と協力し解決する資質・能力を育むために共通テストが始まります。

◇多面的・総合的に能力を判断するため
学力には3つの要素があり、以下のように分けられます。

・知識・技能
・思考力・判断力・表現力
・主体性を持っていろんな人々と協働して学ぶ態度

大学入試改革では、上記の3つをバランス良く評価しようとしていますが、今までのセンター試験では「知識・技能」を中心としたテストが実施されていました。

そこで、2021年からの大学共通テストでは「思考力・判断力・表現力」に重点を置き「知識・技能」は持っている前提で行なわれることになったのです。共通テストは、今までセンター試験で出ていた良い問題は引き継ぎつつも、作問や出題形式が変わります。

大学入学共通テストとは?

ここまでは、大学入学共通テストへ移行した背景を解説してきましたが、大学入学共通テストでは一体どのような試験が実施されるのでしょうか?
ここからは、センター試験との違いや変わらない部分などを解説していきます。

◇出題形式は基本的にマーク式だが記述式の問題もある
先述のとおり、共通テストではセンター試験での良い問題は引き継ぎつつも「思考力・判断力・表現力」に重きを置いた問題が出されます。基本的にセンター試験と同様のマーク式ですが、国語と数学に関しては以下のように記述式の問題もあります。

・国語:20~30字、40~50字、80~120字程度の記述式問題が追加され、それにともない試験時間が80分(センター試験)から100分に変わる
・数学:問題を解決するための方法を短い文で説明する記述問題が3問追加され、それにともない試験時間が60分(センター試験)から70分に変わる

2021年の試験では、国語と数学にしか記述式の問題はありませんが、2024年以降になると地理・歴史や公民、さらには理科系の科目にも導入される可能性があります。

◇英語の勉強が大変
これまでのセンター試験で、英語は「書く」「聞く」に重きを置いた筆記・リスニングの試験しかありませんでした。共通テストでは、これに「読む」「話す」の要素も加わるため、これまでの勉強方法では間に合わなくなってしまうことが考えられます。

また、4つの技能をすべて一度で評価するのは困難なので、民間事業者のテストが導入されます。民間事業者のテストは高校3年の4~12月に2回実施され、その結果が利用されます。

◇今後は「情報」が加わることも
2021年の試験では導入されませんが、2024年の大学入学共通テストでは「情報」の科目が追加される可能性があります。2022年から必修科目として、プログラミングや情報セキュリティが追加されるからです。

大学入学共通テストと一般選抜の違いとは?

大学入試で最も一般的とされている一般選抜ですが、大学入学共通テストとはどういった違いがあるのでしょうか。一般選抜の特徴や、大学入学共通テストとの違いについて解説していきます。

◇そもそも一般選抜とは?
大学入試で最も一般的な選抜方法が一般選抜です。一般選抜は国公立・私立の両方の大学で実施されますが、国公立大学と私立大学では以下のように仕様が異なります。

・国公立大学:共通テストと2次試験の合計点で合否を決める。2次試験は前期・中期(公立のみ)・後期で行なわれ、前期は2、3科目の筆記試験で、後期は論文や面接などを実施する
・私立大学:大学が個々で実施する試験で合否を決める。受験チャンスは何回もあり、大学の学部や学科によって受験の方式がたくさんある。基本的に国立と同様に試験は3科目のところが多いが、2科目や1科目で受験できる大学も増えている

一般選抜の場合、国公立大学には前期と後期がありますが、募集人数の約80%は前期の試験で採用されます。後期の試験は前期よりも難しくなり、倍率も高くなるので、前期の試験に力を注ぐ受験生が多いでしょう。

国公立大学の一般選抜では記述式問題が一般的ですが、私立大学では多様化が進み、大学によって試験の仕様は異なります。

◇共通テストと一般選抜の違いとは?
大学入学共通テストと一般選抜の違いは以下のとおりです。

・大学入学共通テスト:テストの成績のみで複数の大学を受験でき、一般選抜と併願できる。一般選抜よりも受験料が安く、地元で受験できるためチャレンジしやすい。ただし、募集定員が少ないので、一般選抜よりも倍率が高い
・一般選抜:大学独自の試験だけを受けるところが多く、募集定員も多い。今後はテストの成績だけでなく、調査書や活動報告書、面接結果なども選考に活用される

前述のとおり、一般選抜では基本的に大学の独自試験だけを受験しますが、大学入学共通テストと個別試験を合わせて評価する場合もあります。

大学共通入学テストはセンター試験とは違う取り組みをしている

大学入学共通テストは、今まで実施されていたセンター試験とは似ているようで違うものです。出題形式は基本的にマーク式で変わりませんが、記述式の問題も加わり、個々の「表現力」を評価されることになります。

センター試験と同様の勉強方法だと高得点を狙えない可能性があるので、今後は勉強の仕方や内容も大学共通入学テストに向けていく必要があるでしょう。


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