睡眠と勉強の関係とは?睡眠の質を上げて効率アップを目指そう
テストや受験を控えていると、より良い結果を求めるばかりに、睡眠時間を削って長時間勉強をすることもあるでしょう。
しかし、長時間勉強したからといって、学習したことすべてを覚えているわけではありません。詰め込みの一夜漬け勉強法は効率が悪く、勉強したことの大半は忘れてしまうとされています。より効果的に勉強の成果が出すためには、適切な睡眠をとることが大切です。
今回は、勉強と睡眠の関係性について紹介します。
勉強したことを身につけるには睡眠が必要
睡眠には身体と脳、心の休息効果だけではなく、さまざまな作用があるとされています。
ここでは睡眠の役割と、睡眠不足による悪影響について触れていきます。
◇睡眠における3つの役割
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠は「身体だけが休んでいる状態」で、ノンレム睡眠は「身体も脳も休んでいる状態」です。例えば、睡眠時間が7時間の人は、この2種類の睡眠を1日に3~4回繰り返していると考えられています。
・脳や身体の休息作用
脳や身体は、一日過ごすと疲労してしまいます。特に行動していなくても思考や活動、感情が発生して疲労がたまるため、疲労を回復するには睡眠が重要です。
1.ノンレム睡眠で脳と身体を一気に休ませる
2.レム睡眠に入り、脳が働いて活動・情報を整理する
この1と2を繰り返すことにより、脳と身体を効率良く休息させているとされています。
・記憶を整理する役割
脳は、ノンレム睡眠中に不要な情報の除去や必要な情報の固定を行ない、レム睡眠で、必要な情報だけを整理すると考えられています。そして、脳は必要な情報ほどサッと取り出せるようになっていることから、これらの脳の活動は、散らかった部屋を片付ける作業に近いといえるでしょう。
また、脳は思い出しやすいように情報を整理するため、古い記憶と新しい記憶を結びつけます。つまり、一気に詰め込むのではなく、毎日コツコツと勉強することで記憶を蓄積していき、効率的に覚られるというわけです。
・身体や脳、心の発達を促す
睡眠時は、身体の発達や脳機能を正常に保つための、成長ホルモンが分泌されます。
◇睡眠不足によって起こる症状
睡眠不足になると集中力がなくなり、論理的な思考ができなくなります。そのため、ケアレスミスが多くなったり、そもそも問題の意味が理解できない状態に陥ったりするので、学習効率が低下します。
また、睡眠時間が短いと、その日の活動によって脳に蓄積された老廃物がうまく排除できず、身体がだるく感じます。さらに、脳の扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる箇所が正常に機能しないことによって、マイナス思考の傾向が強くなり、憂うつ感を抱きやすくなります。
1日に必要な睡眠時間
厚生労働省のデータによると、日本人の標準的な睡眠時間は6~8時間だといわれています。この範囲内でノンレム睡眠とレム睡眠のセットがうまく働きつつ、目覚めが良くなる時間を計算すると、6~7時間程度の睡眠が最適だと考えられるでしょう。
また、寝る時間帯も意識することをおすすめします。脳内の成長ホルモンが分泌されやすいのは22時~深夜2時だといわれていますので、この時間帯を含んで睡眠をとると、より効果的でしょう。
なお、より長い睡眠をとるほど効果があると思うかもしれませんが、10時間以上などの長すぎる睡眠は、かえって睡眠リズムを崩す原因となります。上記の時間や時間帯を意識して、ほど良く睡眠をとりましょう。
睡眠の質を上げる方法
睡眠の効果を高めるためには、睡眠の質も意識することが大切です。次のようなことを行ない、質の良い睡眠をとれるようにしていきましょう。
◇パソコンやスマートフォンの使用は寝る1時間前まで
パソコンやスマートフォンはブルーライトと呼ばれる、脳を覚醒させる光を発しています。
ブルーライトは太陽光にも含まれている光ですので、浴びること自体はまったく問題ありませんが、夜中に浴びると睡眠が阻害されてしまいます。ですから、就寝の1時間前には使用を控えるようにしましょう。
◇寝る間にホットミルクなどを少量飲む
ホットミルクには、メラトニンの生成に必要なトリプトファンというアミノ酸が含まれています。メラトニンには、体温を下げて成長ホルモンの分泌を促進させたり、身体のリズムを調整して自然な眠りにつきやすくしたりする効果があります。
なかなか眠れないときは、コップ一杯のホットミルクを飲むことで、リラックスして眠ることができるでしょう。
◇寝る間にホットミルクなどを少量飲む
ホットミルクには、メラトニンの生成に必要なトリプトファンというアミノ酸が含まれています。メラトニンには、体温を下げて成長ホルモンの分泌を促進させたり、身体のリズムを調整して自然な眠りにつきやすくしたりする効果があります。
なかなか眠れないときは、コップ一杯のホットミルクを飲むことで、リラックスして眠ることができるでしょう。
◇寝る1時間前までに入浴して身体を温める
質の良い睡眠をとるには、寝る1~2時間ほど前に入浴して身体を温め、リラックスさせることが大切です。寝る前に入浴して体温を一時的に上げると、お風呂上がりに徐々に体温が下がっていき、眠気を引き起こす状態になります。
眠気を引き起こすには、38~40度のぬるめのお湯に30分前後つかるのが効果的です。入浴方法によっては逆効果になることもあるので、注意しましょう。
勉強と睡眠をコントロールして、効果的な学習を
学習効率をアップさせるには、睡眠が大切です。6~7時間の適切な睡眠をとることで、昼間に勉強した内容を脳内で整理でき、知識の定着がしやすくなります。これをコツコツと続けていけば、効率良く勉強できるでしょう。
この効果をしっかりと得るためには、睡眠の質を上げることが大切です。今回紹介した方法を実践して、受験やテストに備えましょう。
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