受験のストレスを吹き飛ばせ! 今すぐ試せる発散方法
毎日徹夜で勉強に励んでいる人はもちろん、そこまで必死になっていない人でも、受験生というだけで、その1年間はストレスやプレッシャーを感じやすいものです。頑張り過ぎるとイライラするし、逆に頑張れなくてイライラすることもあるでしょう。人生の中でも大きなイベントである受験を前にしてストレスを感じてしまうことは、弱いことでも甘えたことでもありません。大切なのは上手にストレスを発散して、良いコンディションで受験当日を迎えることです。勉強中や休日など、色々なシチュエーションで気軽に試せる受験のストレス発散方法をご紹介します。
受験のストレス発散方法:勉強中編
毎回間違う数学の問題、何度覚えても忘れてしまう相性の悪い単語。思うように勉強がはかどらず、イライラして家族に八つ当たりしたり、集中力をなくしてついついサボってしまい、そんな自分がイヤになってしまったり。こころが安定していないと、何よりも自分自身が辛いですね。まずは、勉強中にストレスを感じたら試してほしい、10~15分でできる簡単な発散方法から挙げていきます。
■目を閉じて深呼吸
シンプルだけどよく効くストレス解消法です。イライラしているときは呼吸が浅くなっていることが多いので、何度か深い深呼吸をするだけで落ち着いてくることがあります。腹式呼吸は、厚生労働省の若者向けメンタルヘルスサイトでも紹介されています。リラックスした状態でお腹に手を当て、3秒間ゆっくりと口から息を吐きだし、今度は同じようにゆっくりと鼻から息を吸う、を繰り返します。5分から10分も腹式呼吸を行えば、心が落ち着いてくるのがわかるはずです。
■瞑想
腹式呼吸と併せて瞑想を行うとよりリラックス効果が得られます。静かな場所で深呼吸しながら、目を閉じて何も考えず、静かに呼吸することだけに集中します。この「何も考えないことをする」というのは意外と難しく、ついつい学校のことや勉強のこと、SNSのことなどが頭をよぎっていきますが「今勉強のことを考えようとしているな」と、自分のことを俯瞰して見られるようになると、無になる時間が徐々に増え、頭の中がスッキリとしてイライラが落ち着いてきます。勉強の合間に3分瞑想するだけでも、する前よりも集中力が高まりますよ。
■ヨガ
深呼吸と瞑想は、ヨガをする前の準備体操にもなります。続けて軽いヨガのポーズを取れば、体のコリもほぐれるので一石二鳥です。四つん這いになって顔を上げる牛のポーズや、お腹を見るように背中を丸める猫のポーズなどが初心者向けで気分転換におすすめです。
■体を動かす
ヨガ以外にも、ストレッチやダンスなど、ちょっと身体を動かすだけでかなり気分転換になります。ストイックにスクワットや腕立て伏せをするもよし、古き佳きラジオ体操を日課にするもよし、音楽に合わせて創作ダンスをするもよし。煮詰まってきたら体を動かしてリフレッシュしましょう。
■鼻歌を歌う
イライラしてきたな、と思ったら鼻歌を歌ってみましょう。ノってきてフルコーラス歌っても、1曲4~5分程度なのでいい休憩になります。フンフンと歌っているうちにやる気が出てくる曲もあれば、リラックスする曲もあります。気になったフレーズだけを延々と繰り返してもいいですね。鼻歌なのでルールは無用です。好きに歌っていれば、小さなストレスなら充分発散できるでしょう。
■こまめに休憩してみる
毎日勉強していれば、集中力が続かない日もあるでしょう。そんなときは無理してダラダラ勉強するより、こまめに休憩してみてはいかがでしょうか。10分に1分、15分に5 分など、休憩を挟んで少しずつ進めることで、トータルで〇ページ、という風に勉強してもよいのです。慣れてくると、そのうち集中できる時間が徐々に伸びてきます。
もしいつまでたっても集中できない、ずっと気分が乗らないという日が何日も続くようなら、勉強に使っているツールを見直してみてもよいかもしれません。テキストや参考書が自分のレベルに合っているか、構成や文章が理解しやすいかどうかによっても、勉強のモチベーションは変わります。
■寝る
睡眠不足や徹夜の勉強すると、睡魔と戦いながら書いた文字が日本語なのにアラビア文字のように繋がって、判読不明になってしまった経験はないでしょうか。眠いのに無理をして勉強しても頭に入ってこないので時間の無駄です。目を閉じて15分ほど横になるだけでもずいぶん違いますが、諦めてさっさと寝てしまうことをおすすめします。
■ハーブティーを飲む
「このページが終わったら休憩」「〇時になったらリラックスタイム」と区切りを決めて、休憩中は自分を甘やかしてあげましょう。カモミールやラベンダーなどのハーブティーはピリピリした神経をほぐして、ゆったりと落ち着かせてくれます。しょうが湯やホットミルクなどもリラックスするのに役立ちます。チョコやキャンディなど、ちょっとした糖分を取るのもおすすめ。ちょっとしたごほうびでも、結構やる気が復活しますよ。
■良い香りに包まれてみる
ハーブティーで癒されるのはその香りのせいもあります。アロマオイルやボディクリームなど、自分のお気に入りの香りを見つけて、良い香りに包まれながら優雅に自習してみましょう。ローズマリーやペパーミント、ユーカリなどの香りは集中力を高める効果があるといわれています。
■ハッピーな妄想をする
合格して喜んでいるところや、卒業記念に遊園地や旅行に行く計画を立てるなど、ポジティブな妄想をしてみましょう。現実逃避のように思える妄想ですが、リアルに思い描けることは現実に起こしやすいともいわれています。志望校に通って楽しい学校生活を送っているところや、その先にある自分の目標に近づいているイメージなど、とにかくポジティブでハッピーになる妄想をして、今目の前にある課題のやる気に繋げます。
受験のストレス発散方法:休日・休憩編
休みなく勉強を続けていると、精神的にも肉体的にもストレスが溜まってしまいます。遊ぶときはしっかり遊んだ方がモチベーションに繋がるので、自分を甘やかす「チートタイム」を作って、受験のストレスを発散しましょう。
■カラオケで思い切り歌う
鼻歌でもストレス解消効果があるのに、カラオケで思い切り歌ったらどれほどスッキリすることでしょう。友人と一緒に歌うのも楽しいですが、好き勝手に歌える1人カラオケも意外と楽しいものです。洋楽に興味があるなら、英語の歌詞を覚えて歌ったり、意味を調べたりするのもおすすめです。ビートルズやカーペンターズといった、古いアーティストの曲は歌詞がシンプルで理解しやすく、意外と英語の勉強になったりします。
■ゲームをしまくる
時間を決めてやるなら、1時間でも2時間でも、その時間は思い切りゲームを楽しみましょう。罪悪感を感じながらやってもストレスは解消されないので「これをやったら頑張れる」という気持ちで楽しむことが大切です。両親に怒られてイヤな思いをしないように、やる前に「今日は〇時間ゲームをするけど、明日からはちゃんと勉強するから」と前もって宣言して、それを守るようにしていれば怒られないうえに、信頼を得ることもできるでしょう。
■マンガを読む
好きなマンガの発売日には、マンガを読んだっていいじゃないですか。塾の帰りに読む、お風呂の中で読む、今日だけは時間を気にせず読む。「このページまでやったら読もう」と決めて読む。ゲーム同様、メリハリをつけて読むときには楽しんで読めばいいんです。マンガなら読むのは苦じゃない、という人には「マンガでわかる○○」といったマンガの参考書シリーズなどを読んでみるのもよいかもしれませんね。
■SNSを見る・または見ない
SNSが気になって勉強に集中できないなら、SNSを見てもいい時間を作りましょう。「〇時になったら見よう」「ここまで勉強したら見よう」「通学の時間だけ見よう」ここでもメリハリが大事です。そしてもし、見ることがストレスになっているような状況があるなら、自分のこころを守るために「見ない勇気」も必要です。
■おいしいものを食べる
アイスクリームにチョコレート、ラーメンやから揚げ、菓子パンなど、頑張ったごほうびにちょっとジャンクなものを食べるのも楽しみの1つです。たくさん食べると、食べ過ぎてしまった自分自身にストレスを感じてしまうので、週に2~3回、1~2個をおいしくいただくのがストレス発散にはベストです。
■勉強プランを見直す
もし日々の勉強がうまくはかどらないと感じているなら、計画に無理がないかも1度見直してみましょう。細かい部分が計画通りにいかなくても気にせず、週や月でクリアできていればOKと考えます。考えた計画通りにどうしてもやる気がでないなら、科目を入れ替えてみたり、暗記系はお風呂や通学の時間に15分ずつ振り分けたりして、はかどりやすいスケジュールに組みなおしてみましょう。「おやつ」や「ゲーム」といった楽しみの時間も盛り込んで、メリハリのある生活を送った方が勉強の効率は上がります。
■友人と喋る
色々と悩むことも多い学生時代に、受験というプレッシャーが加わる受験生は全く悩みがない方がレアだといえます。悩んだり迷ったりイライラすること自体は悪いことではありませんが、自分ひとりで抱えてしまうのはよろしくありません。素直な気持ちを打ち明けたり、言いたいことを何でも言える人は必要です。家族や先生、親友以外にも部活の先輩や趣味の友達など、信頼できる人や心を開いて話せる人を1人でも持っていてほしいです。
番外編:ストレス発散したくてもできない人へ
「プレッシャーやストレスがある」とはっきり感じる人もいれば「まったく何も感じない」という人もいますが、何も感じていなくても、ストレスが溜まっている場合があります。また「もっと頑張らなくちゃ」と思っている人の中には、既に限界を超えている人もいるかもしれません。これから挙げることを読んでみて、当てはまらないかチェックしてみてください。
■ストレスは感じないが、頭痛や腹痛がある
ストレスは精神的に落ち込むものと思いがちですが、落ち込んでいなくても身体の方に症状が出るという人がたまにいます。頭痛や腹痛、微熱、下痢や食欲不振、逆に過食など、近頃何か調子がおかしいな、と思うことがあれば、早めに家族に相談して、病院で診察を受けるようにしてください。
■自分はまだまだだと思う・焦りが消えない
自覚症状がなくても、知らない間にこころの病気になっていることがあります。ストレス解消する気力もない、何をしても楽しいと思えない、毎日悲しくて仕方がない、という人は、以下の項目にあてはまらないかチェックしてみてください。
次のうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することをお勧めします。
-
悲しく憂うつな気分が一日中続く
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これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
-
食欲が減る、あるいは増す
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眠れない、あるいは寝すぎる
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イライラする、怒りっぽくなる
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疲れやすく、何もやる気になれない
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自分に価値がないように思える
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集中力がなくなる、物事が決断できない
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死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
引用元:厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト」より
もし上記にあてはまるなら、うつ症状の可能性があります。うつは非常に多くの日本人がかかりやすい病気で、きちんとした治療を受ければ改善もしやすい病気です。少しでもおかしいと感じたら、家族や学校の保健室など、信頼できる大人に相談することを強くおすすめします。
■他人のためではなく、自分のために受験しよう
家族の期待に応えようとし過ぎたり、人に負けること、弱みを見せることはダメなことだと思う必要はありません。計画通りにいかなかったことや、失敗したことで成長し、遠回りしたことで人生に深みが出ることもあります。人よりいい学校に入りたい、家族が強要するからこの学校を受験する、といった理由では、その学校に入ったときに目的を失ってしまうこともあります。
他人の願いをかなえてあげようとする気持ちは決して悪いことではありませんが、無理は禁物です。他人と比べるために、または家族のために勉強するのではなく、自分がよりよく成長するために、自分が学びたいと思う学校を受験してください。あなたを愛している人達は、あなたが幸せでいることを願っています。
受験に限らず、ストレスと付き合うテクニックは、これから先社会人になってからも役に立つ知識です。もしかすると、働きだすようになってからの方がよく使うテクニックかもしれません。自分の弱点を知って上手くコントロールできる人は、それがそのまま強みになります。
弱いことは悪いことじゃないし、受験生だって楽しいことやごほうびは必要です。弱いところがあるからこそ人は優しく強くなれるし、頑張ったからこそ、その後に待っているごほうびがうれしいものです。根を詰めて頑張り過ぎずに、時には自分を甘やかしつつ、受験生というシチュエーションも楽しみましょう。そしてもし、自分では解消しきれないストレスがあると感じるなら、躊躇なく誰かに相談する勇気を持ってくださいね。
執筆者:木村紫
貿易業務とライター業を兼務するシングルマザー。人より少し豊かな人生経験から、恋愛・健康・転職・ライフハックなど、様々なジャンルで執筆活動中。ダメな人への優しいまなざしに定評がある。
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