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大学はブランド名で選んでもいいのか?

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大学選びで「自分には入れる偏差値で一番いいところ」という選び方をしていませんか?
各大学の強みや良さは、偏差値だけではわかりません。
大学は研究機関という一面を持ちますが、研究の発展度は論文の引用数でよく表されます。
大学1、2年生の、しかも受験生の学力は直接は関係しないのです。
あなたは大学を偏差値やブランド名で選んで、本当に公開しませんか?

 

偏差値だけでは大学はわからない!

そもそも「いい大学」とはどのようなところでしょう。

・先生や学生の雰囲気が自分にとって親しみやすい
・自分のやりたいこと(勉強、研究、起業、スポーツ、その他の挑戦)がしやすい空気
・気の合う学生が多い
・経済的に困窮しすぎない学費
・趣味に打ち込める(サークルなど)
・進級などの自分にとって適度な難易度で成長できる
・研究分野では最先端
・進学や就職活動のサポートが手厚い

このような要素はとても偏差値だけではわかりませんね。
そもそも偏差値は受験生や合格ラインのレベルであって、それ以上でもそれ以下でもないのです。

例えば学費は大学ごとに全く違います。
国立大学で年間50万円で済みますが、私立理系は100万円以上かかります。
慶応大学などはトップブランド校のひとつですが、学費が高いことでも有名で、私の知り合いにも頑張って入学したもののあえなく中退、という方もいらっしゃいました。

 

大学の得意分野はいろいろ

大学はいろいろな学部学科を持っていたりもしますが、例えば理系学部に力を入れているけれど文学部はそれほど強くなかったりします。
一般的なブランド大学ではないものの、一部の人にはあこがれである体育系大学や音楽大学などはその最たる例かもしれません。

また同じ物理学科でも、宇宙物理に力を入れている大学もあれば、材料力学などに力を入れているところもあったりと、得意分野が違っていたりもします。

どこでその大学の得意分野を見分ければいいのでしょう。
一番てっとり早い方法は、その大学にある研究室の研究テーマを調べることです。
もしその学科に、とくに力を入れているテーマがあれば、似たような分野の研究室が集まっていたりします。
力を入れている分野はもしその研究室がなくなっても新しく近い分野の研究者を募集するので、常に一定数の研究室が確保されているからです。

 

大学の厳しさも違う

進級の細かい仕組みや厳しさは、大学によって全く違います。
理系の進級が難しい大学の有名どころは東京理科大や大阪大学ですが、実際どれほどの生徒が進級できなかったり、何割の生徒がストレートで卒業できるかは外部の人間にはなかなかわかりません。
こういったことは、TwitterなどのSNSで在校生に聞いたり、オープンキャンパスの時にこっそり先輩に聞いてみましょう。

ただし、誤解して欲しくはないのですが、進級が難しい大学は決して「悪い大学」ではありません。
生徒に厳しく簡単に単位を取らせてくれない教員というのは、裏を返せば教育に力を入れており、生徒の面倒見がいい、すばらしい教育者でもあるのです。
そんな教員の元で勉強・研究をすることは翻っては自分のためにもあるのです。

また厳しい大学は同じ業界の人も知っていたりするので、その学科を卒業しただけで「しっかり勉強してきたんだ」「実力がある人間なんだ」という信頼を得られます。

 

学科の仕組みが違うこともある

大学によっては、1年生からずっと同じ学科で勉強するところもあれば、東大のように1・2年生は学科分けがほぼなく、3年生で選べることもあります。
また転科ができるところもあれば、入学しなおすしかないこともあります。

しかしこれが意外とやっかいで、大学でいろんな学問の入り口をのぞくことで、「やっぱりこの学科に入りたかった」「やっぱりこの分野に興味が出てきた」となることはしょっちゅうあります。

私の身近では大学受験をやり直した人も、大学を転校した人もいます。
もちろん、悩みながらもそのまま同じ分野を学んで卒業したり、大学院で分野を変えた人もいます。

特に「今はやりたいことがない」という高校生は、3年次に学科を選べたり、転科できる大学の方がおすすめです。

 

ブランド大学にもブランドになるだけの強みがある

大学は偏差値やブランド名だけでは、内情が全くわかりません。
入ってみたら周りがおしゃれすぎたり、お金持ちだらけで肩身が狭かった、なんてこともあります。

しかしブランド校にはブランド校になれるだけの強みがあることも確かです。
レベルが学部学科でまちまちとはいえ、長年レベルを落とさないだけのしっかりとした教育をしていますし、有名校というだけでバイトや就職活動でいい印象を与えられるという面も否定できません。(あくまで第一印象ですが)

せっかく一生懸命勉強して受験するので、大学を選ぶときは、ブランドだけでわからない内部の仕組みや雰囲気を知ってからにしましょう!

執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ。


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