• TOP
  • >
  • コラム
  • >
  • 【生活の科学】化学と日常生活の意外な関係【実は役に立つ?】

【生活の科学】化学と日常生活の意外な関係【実は役に立つ?】

「【生活の科学】化学と日常生活の意外な関係【実は役に立つ?】」サムネイル画像


化学といえば「ややこしい計算のある理論
化学に、暗記地獄の無機化学、さらにはパズル要素のあってややこしいの有機化学……とにかくぜんぜん楽しくないよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし本来化学は、生活に密着しており、身近な生活の中から生まれた化学です。
今回は化学を見る目がちょっと変わるかもしれない(?)科学小話をご紹介します。

テレビでよく聞く「活性酸素」って何?

健康番組などで話題になりやすい「活性酸素」。
よく耳にする単語ですが、実際はどのようなものか知っていますか?
活性酸素とは、正常な酸素分子よりもずっと反応しやすい(他の物質を酸化しやすい)酸素のことです。
化学で習うように、原子は物質を構成する最小単位の粒子のことです。そして酸素原子は、電気的にプラスの性質を持った原子核のまわりを、マイナスの性質を持った電子が飛び回っています。

原子がどれだけ安定しているか(反応しにくいか)は、このプラスとマイナスのバランスできまるのですが、酸素原子はもともと不安定な状態なのです。
そこで酸素原子は2つくっつき、マイナスの性質を持った電子を共有することでこのバランスをとって安定します。これが私たちのよく知る酸素(o2)です。
しかし、電子の配置と数が不安定だとプラスとマイナスのバランスが取れず、他の物質から電子を奪おうとします。これが反応性の高い活性酸素の正体です。

これが体の中にあると、体を構成する物質の原子とも反応しようとするので、確かに体内の正常な細胞にダメージを与えてしまいます。
体にはもともとこの活性酸素に対する防御システムがあるので過度の心配は無用ですが、この活性酸素が様々な病気や寿命と関係しているのは確かなようです。

金はなぜ高い?

値段の高い金属(=貴金属)といえば、金やプラチナ、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミニウムの8種類です。
これらはそもそも発掘できる量が少ないので希少価値があるというだけではなく、腐食しにくいという性質があります。
つまり放っておいても錆びたり別の物質に変わったりしないからこそ、常に同じだけの価値でいられるのです。

特に通貨以上に価値が安定している金属の代表格といえば、やはり古来より金でしょう。
金は、1064度で溶解しますが、約3000度以上でないと蒸発しません。火事や災害で消えてしまうことなく、また金鉱脈中でもそのままの形を保てるのです。
また、液体に溶かすには「王水」が必要、というのは化学で習うとおりです。

話は変わりますが、ドラマやマンガで金の延べ棒をたっぷり袋につけて逃げる怪盗の姿が時々見かけられますよね。
実はアレ、実際に再現するのは無理です。
というのも、金は見た目よりもずっと重いのです。

造幣局に展示してある金の延べ棒は、なんと一本だけで15kgもあります。
それをひょいひょい片手で袋に投げ入れて、袋で持ち逃げするなんてよほどの力持ちではないとできないわけです。

有名な科学ジョーク「一酸化二炭素は危険!」

有名なエセ科学のジョークに「一酸化二炭素(DHMO)は危険!」があります。

曰く、
・DHMOは水酸の一種で酸性雨の主成分である
・DHMOは溶媒や冷媒に用いる
・DHMOは温室効果を引き起こす
・DHMOは重篤なやけどを引き起こす
・DHMOは地形を変えてしまう
・DHMOは末期ガン患者からも検出される
・DHMOは各種ジャンクフードに含まれている

これを読むと「DHMOって危険な化学物質なんだなー」という気がしてきませんか?
1997年の調査結果では、これをみた50人のうち43人が、「DHMOを規制すべき」という意見に賛成したそうです。

しかしここで、この危険そうな物質の正体を冷静に考えてみましょう。
一酸化二炭素、化学式に直すとH2O……。そうです、DHMO/一酸化二炭素の正体はただの水なのです!

でもモノは言い様でいくらでも印象が変わります。
正しい知識と冷静に考える力がなければ、ヒトは案外簡単にだまされてしまいます。
化学に限らず、大人になった後に誰かにだまされないためにも、基本的な知識を勉強したり勉強の仕方を覚えたりすることも大切なのです。

鎮痛剤のアセチルサリチル酸

有機化学でよく出てくるアセチルサリチル酸は、身近な薬バフ○リンに含まれています。
アセチルサリチル酸の別名はアスピリンで、ほかの鎮痛剤にはアスピリンと表示されていることも。
でもよく見ると値段が違う……。

実は薬の成分をよく見ると、中身はほぼ同じなのに値段が違うということはよくあります。
有機化学で出てくる物質の別名を知っているとほんの少しだけ得するかもしれませんね。

生活に結びつけよう

化学は本来生活に密着した学問です。
化学が生活にどのように関わっているか知ることは化学を身近に感じるだけではなく、印象をうけることで暗記もしやすくなる効果があります。

例えば料理なども化学反応のオンパレードなので、気になった方は調べてみてはいかがでしょうか?

執筆者:てんもんたまご
天文学者を夢見て浪人の末に物理学科へ入学。
卒業後は、理系としての知識や実験教室でのアルバイト経験を活かしてライターとして活躍中。
大好物は、紅茶とあんみつ


関連記事

人気記事一覧

最新記事一覧

カテゴリー

月別アーカイブ