漢文の再読文字とは?意味と使い方をわかりやすく解説!
漢文は暗記科目に近いところがあるため、早めに勉強をしておいたほうが有利だといわれています。きちんと覚えておけば確実に入試でも点数が取れるため、意味や使い方をきちんと理解しておきましょう。
ここでは、漢文の再読文字とは何かということや、効率的な覚え方などを紹介します。漢文が苦手だという人や暗記が難しいと思っている人は、ぜひ最後までお読みください。
漢文の再読文字とは
再読文字とは、再読という言葉の意味どおり、漢文を読む際に2回読むという特殊なルールを持つ文字です。まず1回目は返り点に関係ない順番で副詞として読み進め、2回目は返り点に沿って動詞や助動詞として読みます。
一見すると、とても難しい文字のように思えますが、再読文字には覚え方にいくつかのパターンがあり、それぞれのパターンをきちんと理解できれば暗記も比較的簡単なものです。
なお、受験で覚えるべき再読文字は、未・将・且・当・応・宜・須・猶・由・盍の10種類ですので、この10種類は使い方をマスターしておく必要があります。 漢文は漢字が並ぶ文章のため日本語のように見てしまう人がいますが、もとは外国語であり、日本語とは構成が違うことをまず理解しなくてはいけません。正しく理解して暗記すれば、点数が稼げる教科ですのでしっかりと勉強していきましょう。
漢文の再読文字の意味と使い方を解説!
先ほど紹介したととおり、再読文字には覚えるべき10種類の文字がありますので、その10種類の意味や使い方について見ていきましょう。
◇未
読み方:いまダ~(せ)ず
訳:まだ~(し)ない(打ち消しの意 「未」は、まだ実行・実現していない状態や行為のことを指します。「未完」など、現代熟語での使い方を意識すれば、どういった意味を持つのかがわかりやすいでしょう。
例文:未知也
書き下し文:未だ知らざるなり
訳:まだ知らない
◇将・且
読み方:まさニ~(セ)ントす
訳: (いまにも)~しようとする、~するだろう(推量・意思の意) 「将・且」は、どちらも近い未来におこなうことや起こることなどを表します。
例文:将行
書き下し文:将に行かんとす
訳:いまにも行こうとする
◇当・応
読み方:まさニ~べシ
訳:~しなければならない、~すべきだ、~すべきだろう、きっと~だろう(当然・推量の意)
「当・応」は「当然」や「強い推量」の助動詞である「べし」を使い、義務や強い推量を表します。
例文:当行
書き下し文:当に行くべし
訳:当然行くべきだ
◇宜
読み方:よろシク~べシ
訳:~するのが良い(適当の意)
「適宜」という現代熟語があるように、「宜」は「適切・適当である」ことを意味します。
例文:宜改
書き下し文:宜しく改むべし
訳:改めるのが良い
◇須
読み方:すべかラク~べシ
訳:ぜひ~する必要がある、~しなければならない(義務の意)
「須」は「~するべき」という義務の意味を表します。こちらも、「必須」という現代熟語を意識すると意味がわかりやすいでしょう。
例文:須行
書き下し文:須らく行くべし
訳:行かなければならない
◇猶・由
読み方:なホ~(ガ・ノ)ごとシ
訳:まるで~のようだ、ちょうど~と同じようなものだ(比況の意)
「猶・由」は2つのものを並べ、「AはまるでBのようだ」というようにAとBが似ていることを表します。 また、「ごとシ」の直前にどの品詞が来るかで読み方が変わり、動詞・助動詞が直前に来る場合は「~ガごとシ」、名詞が直前に来る場合は「~ノごとシ」となります。
例文:過猶不及
書き下し文:過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし 行き過ぎは、足りないことと同じである
◇盍
読み方:なんゾ~ざル
訳:どうして~しないのか(疑問・勧誘の意)
「盍」は「何不」と同様に、「どうして~しないのか」という疑問を表します。
例文:盍行
書き下し文:盍ぞ行かざる
訳:どうして行かないのか
漢文の再読文字の効率的な覚え方は?
覚えておくべき再読文字は10種類と多いため、覚えるのが大変そうだと諦める人も多いかもしれません。ですが、再読文字は基本的に「同じ働きをするものがある」か、「現代熟語と結び付けられる」かの2パターンしかありません。
同じ働きをするものがある再読文字は、「将・且・応・猶・由・盍」の6つです。先項で紹介したように「将」と「且」を一緒に覚えるなどすると覚えやすいでしょう。 また、現代熟語と結び付けられる再読文字は、「未・当・宜・須」の4つです。こちらも先述のように、それぞれの文字が含まれる現代熟語と結び付けることで、意味を暗記しやすくなります。
この2パターンを覚えておけば、試験や入試などで再読文字を訳す問題があった場合でも、あまり悩まずに問題を解けるはずです。
その他に、何度もテキストを読んで練習問題を解くことも大切ですが、センター試験以外の模擬問題集には、通常の再読文字の読み方をしない問題が出てくる可能性があります。 この場合、問題文を丸暗記してしまうと、入試のときにまったく違う問題文で出題される可能性もあるため、丸暗記するのではなく再読文字の意味や使い方を身に付けるようにしましょう。
再読文字は文字の意味とパターンを覚えよう!
再読文字は1つの文字を2回読むという特殊な漢字です。
入試で出てくる再読文字は10種類ですので、今回ご紹介した2つのパターンに分けて効率よく暗記しましょう。 確実に暗記したとしても、入試のときは緊張して思うように問題が解けないこともありますが、そうならないためにも、何度も問題を復習して自分に自信を持つことが大切です。
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